女子学生を無断撮影し「顔面偏差値」でランク付け 中国の写真展に批判殺到
「真実を語る権利がある」「ミス・キャンパスを探すお手伝い」と語るアーティスト。非を認めようとはしない。
女性をあれこれ品定めし、美醜を批判することは果たして「芸術」なのか。このほど中国の現代アートギャラリーで、あまりにも品格に欠ける個展が開かれた。イギリスのメディア『The Sun』『INSIDER』などが報じ、物議を醸している。
■外見を評価し順位付け
中国・上海の呉淞江(蘇州河)沿いで、古い歴史を持つ倉庫街の一角にあるアートギャラリー『OCAT上海館』。ここで差別に満ちた写真展が開かれ、アーティストとギャラリーの双方に批判が殺到している。
問題があったのは、中国の宋拓(Song Ta)というアーティストによる『どんどん醜くなる』という写真展。彼は撮影した女子学生たちを顔面偏差値でランク付けし、「最高の美人~最悪のブス」として、写真を順位に従って並べた。
■5,000枚の無許可写真を保有
個展のために準備されたのは、なんと7時間分の動画だった。ある大学のキャンパスで無断で撮影され、5,000枚を超える画像が使用されたという事実にも、著作権、肖像権の侵害だと批判が殺到している。
これまで『OCAT上海館』は、国内外の優秀なアーティストとその作品を多数紹介してきた。それだけに、今回の騒動でギャラリーとしてのグレードを下げた感は否めない。
■人を傷つける作品が芸術?
個展について、大炎上となった中国のSNS。さっそく『OCAT上海館』の運営者は中止を決定し、アーティストに漂うミソジニー(女性蔑視、女性嫌悪)を「受け入れがたい」と説明した。
問題の写真は、ギャラリーから撤去して完全に処分。現代の多様性をサポートするアートギャラリーとして、これまで以上に質とサービスを向上させていくなどと約束したが、人権を侵害する作品を芸術として認め、展示の場を提供した事実に対する批判は大きい。
■2年かかって完成
この件について、アーティストの宋拓自身は「真実を語る権利がある」「ミス・キャンパスを見つけ出す手伝いができた」などと語り、自分に非はないと主張しているという。
じつは2019年のインタビューで、宋拓は「アシスタントとともに、許せないほどブサイクな女の子たちの写真を最後方に並べる作業を行っている」と明らかにしていた。
2年かけ、やっと開催にこぎつけた写真展がこれでは、アーティストとしての資質やレベルを自ら下げている。今後の活動に大きな影を落としたことは、間違いないだろう。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)