「世界最小赤ちゃん」のギネス世界記録を持つ男児 手厚いサポートを受け満1歳に
生存確率ゼロ%と言われた赤ちゃんが、満1歳の誕生日を迎えた。担当医や家族の喜びはひとしおだろう。
『最も小さく生まれ、生き延びた赤ちゃん』としてギネス世界記録を更新していたアメリカの男の子が、満1歳の誕生日を迎えた。同国の『ABC News』やオーストラリアの『7 NEWS.com.au』が報じている。
■340グラムの極小赤ちゃん
昨年6月5日、アメリカ・ミネソタ州のミネアポリスにある病院で、類を見ない早産の超低体重児として産まれたリチャード・スコット・ウィリアムくん。母親のベス・ハッチンソンさんが妊娠による合併症を患っていたことが原因で、予定日より131日も前の妊娠5ヶ月に誕生した。
誕生時の体重はわずか337グラムほどで、片方の手のひらに収まる小ささだった。しかしリチャードくんは、たくましい生命力でさまざまな危機を乗り越えた。
■生存確率はゼロ%
出生後、医師から「生存確率は0%です」と言われ、ベスさんと夫のリックさんは最悪の事態を覚悟する他なかった。
ベスさんはメディアの取材に、当時を振り返りながら「最初の数週間が山場だと言われました。でも、それを乗り越えられたら生き残る希望がある。私たちはそう信じたのです」と話す。
新型コロナウィルスの影響で、病院は親戚の見舞いはもちろん、両親の寝泊まりすら禁じた。しかし我が子が心配で仕方がなかったベスさんとリックさんは、ウィスコンシン州セントクロワ郡の自宅からミネアポリスの病院まで、毎日片道1時間をかけて様子を見に通ったという。
■ギネス世界記録を更新
そして2020年12月、リチャードくんは6ヶ月間もの入院生活を経て、無事に退院。自宅での生活が始まり、さらにはギネス世界記録の『世界で最も小さく生まれ、生き延びた赤ちゃん』に認定された。
担当した医師は、「壊れてしまいそうなほどもろく、小さく、肌は半透明で、ろっ骨と血管が透けて見えていたあの子が、こんなにも元気に育ってくれるなんて…」「リチャードくんを、とても誇りに思います」と話している。
■満1歳を祝福
リチャードくんは今月5日に満1歳の誕生日を迎え、両親や親戚、3匹の愛犬たちに囲まれてお祝いをした。
最新医療技術による保育環境や治療、そして決してあきらめず、懸命な努力を続けた医師と愛情深い両親のサポートを受けるリチャードくん。元気に成長していくことが望まれている。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)