南米サッカー選手ら大量にコロナ感染 コパ・アメリカは五輪感染爆発の不吉な前兆か
国民や医療専門家の反対のなかで強行開催された「コパ・アメリカ」。しかし続々とコロナ感染者が…。
6月13日~7月10日の予定で、現在ブラジルで開催されている「コパ・アメリカ」大会。強豪が揃う南米サッカー連盟(CONMEBOL)による、プロサッカー界の一大イベントである。
ところがそこで、選手らが続々とコロナに感染していることがわかった。ワクチンは打っていないのか、これで五輪は安全安心なのかと波紋を広げている。
■国民が大反発も強行開催
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないブラジル。日本時間の20日午前9時半の最新情報によると、累計1,788万人の感染者と50万人の死者を出し、今なお1日に8万人を超える新規感染者が確認されている。
ワクチン接種率の低さもあり、医療専門家はもちろんブラジルの国民6割超が中止を求めるなか、第47回となる「コパ・アメリカ」は政府の強い意向により開催されたという。
■続々と増える感染者
安全安心のため、と参加する10チームの選手やスタッフ、大会関係者には連日PCR検査が行なわれているが、アメリカの『FORBES』が伝えたところによれば、大会3日目にはなんと52人が陽性と判明。選手やチームスタッフが多いが、主催者側のスタッフも19人含まれているという。
例えばブラジルと対戦のペルーは、主軸のMFクリスティアン・クエバ選手の陽性がわかり、彼の出場停止でペルーは敗北。サッカーは強烈なボディコンタクトのあるスポーツで、クエバ選手ひとりの感染で済むわけがないとみられている。
■感染は母国を出る前か
カタールのメディア『アルジャジーラ』は、「開幕前日の12日にベネズエラの選手とスタッフ計12人がPCR検査で陽性反応」と報道。別のメディアは「選手だけでも8名が感染」と伝えている。
全員が無症状感染者で、現地入りした日の夜に判明したため、ブラジルで感染したとは考えにくいようだ。また『FORBES』は、14日にパラグアイに敗れたボリビアについて、前日の陽性判定で3人の選手が出場停止となっていたことを報じている。
大会の主催者はこうしたことを受け、感染および感染者との濃厚接触がわかった選手については、登録を臨機応変に交代してよいと急きょ決定したという。
■ワクチンを受けた選手じつは少ない?
感染力が強いインド型変異株「デルタ」も加わり、ビッグイベントにワクチン接種なしに参加することの恐ろしさを如実に示している、この度の「コパ・アメリカ」。
ワクチンを打った選手が意外と少ないことも見えてきたが、彼らもこれから慌ててワクチンを2回受け、わざわざ五輪の頃に体調を崩すことはしないだろう。
ちなみに東京五輪・男子サッカーへの出場が決まっているのは、日本のほかに南アフリカ、メキシコ、フランス、ニュージーランド、韓国、ホンジュラス、ルーマニア、エジプト、スペイン、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、コートジボワール、サウジアラビアだという。
■コパ・アメリカは不吉な前兆か
選手たちは元気で若い。五輪ではコンドームすら大量に配られ、アルコールの持ち込みもOKとあっては、選手村はあちこちドンチャン騒ぎだろう。
選手村が無法地帯と化すことを危惧する声は多いが、GPS携帯を部屋に置き去りにし、酔った勢いでちょっと夜の街へ…となる可能性もいまだに否定できない。
コパ・アメリカで見えてきた、五輪開催による感染爆発の危険性。安全安心な開催などやはり困難だと言わざるを得ないようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)