「まるで妊娠中のお腹」と悩んだ22歳女性に卵巣がんが発覚 腫瘤には髪の毛と骨が

女性は今、「どんなに若くても、骨盤内に異変が生じたらただちに病院へ」と訴えかけている。

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(ferlistockphoto/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

アメリカ・シカゴに暮らす女性が、昨年春、自身の身体に異変が起き、22歳の若さで卵巣がんと診断されたことを告白した。「若いから大丈夫と過信することなく、こんな症状があったら迷わず病院に急いで」と呼びかけ、大きな関心を集めている。

アメリカの朝の人気の情報番組として知られるNBCの『TODAY』が大きく取り上げ、オーストラリアの『7News.au』なども伝えている。


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■妊娠中のようなお腹に

つらい痛みが徐々に骨盤内全体を包むようになり、「月経痛とはちょっと異なり、けいれんを伴う痛みから始まりました」と語るのは、アメリカ・シカゴの大学院に通う23歳のキャサリン・サウドさん。

異変は痛みだけではなかった。カンジダ菌の感染症を繰り返し、尿路感染症に悩まされ、そして何より腹部が膨らんできた。食べ過ぎや皮下脂肪がつくことによる膨満とは違い、妙な硬さが不安だったという。

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■新型コロナの影響で検査進まず

キャサリンさんの検査に、新型コロナウイルスのパンデミックが影響を及ぼした。遠隔医療のためオンラインでしか話をすることができず、医師は腎臓の機能に問題があると強く疑い、カンジダ菌や尿路感染症の薬が処方されたが、2ヶ月たっても彼女の体調は改善しなかった。

下腹部の痛みと重みで歩くのもいよいよ苦しくなり、やっとのことで対面の診察へ。医師に腹部を軽く押されただけでキャサリンさんは「痛い!」と絶叫した。超音波検査を受け、そこでやっと卵巣がんが発覚したという。

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■腫瘤は21センチに肥大

キャサリンさんに下された診断名は「悪性の胚細胞腫瘍」。珍しいタイプのがんでステージ1だった。そして昨年5月、腫瘤を含め右側の卵巣と卵管を切除する手術は成功。21センチにも膨れ上がっていた腫瘤の内部には、なんと髪の毛と骨が入っていた。

がんは広がっていなかったが、再発の可能性が高いため、血液検査を毎月、骨盤のCTスキャンを4ヶ月おきに受ける必要があるという。


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■「まさか」は若い女性にも…

キャサリンさんは今、「若い女性にもまさか、ということはおきます。自分の体に注意を払い、いたわり、異変に気づいたらすぐに病院に行ってほしい」と訴えている。

未熟な生殖細胞(胚細胞)からの発生が考えられる胚細胞腫瘍は、10~20歳代の若年に多く発生し、すべての卵巣がんの数%でしかない。

進行のスピードが速いが抗がん剤がよく効き、その後に出産を叶える女性も少なくない。若い女性では腹部の異様な膨満、更年期以降の女性では閉経後の出血に注意するべきだという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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