気象庁が関東甲信地方の梅雨入りを発表 予想の難しさを気象予報士が解説
気象庁は東海地方から約1ヶ月遅れで関東甲信地方の梅雨入りを発表。気象予報士が明かす予想の難しさとは…。
気象庁は14日11時、関東甲信地方の梅雨入りを発表しました。東海から西では5月半ばに梅雨入り発表がなされていたわけなので、じつに1ヶ月近い開きがあっての梅雨入り発表です。
以前私は別の場所で「梅雨明けを予想することはナンセンスか」という記事を書いたことがあるのですが、改めて「梅雨入りを予想するとは何なのか」について、気象予報士・千種ゆり子が、ボヤキを含めた記事を書いてみました。
■「梅雨入りはいつ?」とたびたび聞かれた5~6月
5月半ばごろから、街中で良く聞かれた時候の挨拶といえば「梅雨だね~」とか、「梅雨入りしたんだっけ?」でした。私は気象予報士なので「これって梅雨入りしてるの?」とか「梅雨入り、いつになりそう?」とか、よく聞かれました。
これを受けて私も、昨日・一昨日に出演したスーパーJチャンネル(土日)では、梅雨入り予想をお伝えしました。
「一両日の曇雨天は梅雨前線の影響ではなく上空の寒気の影響だけれども、この先曇りや雨の予報が続くことを考えると、梅雨入り発表となるのではないか」という内容でした。
■梅雨入りに明確な数値的基準はない
さて、ここで「梅雨入りの定義」について改めて考えてみましょう。梅雨は「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」と気象庁ホームページでは説明されており、1週間くらい雨や曇りの日が続くと予想される時に発表されます。
ここで注目したいのが、梅雨入りに関して特に数値的な根拠・基準はないということです。過去には、梅雨前線が近くになくても、梅雨前線の雨でなくても、梅雨入りが発表されたケースもあるのです。今回もそのケースにあたります。
気象庁の予報官としては、「今後の予報」「平年とのズレ」「防災的意味合い」などを総合的に加味して、最終的には気象庁の予報官という“人”が判断します。ですから「梅雨入りの発表があるかどうか」は、気象庁(人)の心理を読まなければならないわけです。