NHK朝ドラ『おかえりモネ』 カキ養殖と天気の深い関係を気象予報士が分析
清原果耶主演の朝ドラ『おかえりモネ』。カキの養殖シーンが描かれていますがじつはお天気と深い関係が…。
気象予報士の千種ゆり子です。NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』が始まって約1ヶ月。主人公である永浦百音(清原果耶)が後に気象予報士になると聞いて、毎日欠かさず見ています。
今週は気象が話のキーになっていると感じたので、誠に勝手ながら解説記事を書かせて頂くことにして、こちらはその第二回記事です。第一回の記事はこちら。(本文にはネタバレを含みます)
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■種ガキを研究する妹・未知
ドラマの中では、モネの妹・水産高校2年生の永浦未知(蒔田彩珠)が、気仙沼産の種ガキを作るべく研究をしています。その未知が「浮遊幼生、3,000いった!」と声を弾ませます。
浮遊幼生とは、カキの赤ちゃんのこと。未知はカキを卵から育ててふ化させ、育てているのです。
■カキの卵が孵化する「積算600℃の法則」
モネと未知の祖父・龍己(藤竜也)は「積算600℃で、2週間超えてんだろ?」と発言します。宮城県水産業基盤整備課によりますと、水温が10℃を超えた時から10℃を超えた分の温度を毎日足していき、600℃に達した時にカキの卵が孵る。
これが積算600℃の法則で、種ガキの一大産地である松島での実験に基づいた法則だそうです。
宮城県水産技術総合センターが運営するみやぎ水産NAVIで2014年の気仙沼の水温を調べることができたので計算してみましたが、確かに8月上旬に積算600℃を超えていました。