関東甲信は梅雨入りまだ 「なぜ梅雨入りしないのか」を気象予報士が解説
東海以西は記録的な早さで梅雨入りした2021年。ところが、関東以北の梅雨入りはそこから大きく遅れています。
きょうは全国的に雨が降り、大雨になっているところもありますが、関東甲信地方の梅雨入りの発表はありませんでした。なぜ関東甲信は梅雨入りしないのか? 梅雨入りはいつ頃になるのか?気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■ズバリ! 関東甲信の梅雨入りは?
結論から言うと、関東甲信の次の梅雨入りのタイミングは、12~14日以降となりそうです。
梅雨は「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」と気象庁ホームページでは説明されており、1週間くらい雨や曇りの日が続くと予想される時に発表されます。
今日は確かに雨だったのですが、来週半ばにしっかり晴れる傾向がみえているため、梅雨入りの発表に至らなかったとみられます。ですので、この晴れの後。6月中旬以降に梅雨入りとなる見通しです。
■5月半ばに梅雨入りした東海など
一方東海から西は、5月半ば、記録的に早い梅雨入りとなりました。東海と関東甲信は隣り合っているわけですが、半月以上も梅雨入りに差が出ていることになります。この2つの地域には、どんな違いがあるのでしょう。
ここで重要なのが、梅雨入り発表の防災的意味合いです。梅雨入りの発表には「これから本格的な大雨のシーズンに入るので注意してください」という、注意喚起の意味合いが込められています。つまり、5月半ばに大雨が予想された東海から西では梅雨入りの発表が行われたのです。
■梅雨入り日は9月に修正の可能性も
東海から西の皆さんは、梅雨入りしたのに晴れの日が多い、梅雨の中休みが長い、という感想を持っているでしょう。
気象予報士として梅雨に関して思うことは「梅雨は自然現象であり、本来、“この日から梅雨!”ときれいに線引きできる類のものではない」ということです。言わば、梅雨は“グラデーション”です。
しかし、お役所である気象庁が防災的な意味合いを持たせつつ梅雨入りの発表をしている都合上、どうしても強制的に線引きがなされてしまいます。
さらに、気象庁による梅雨入りの発表は速報的な扱いで、9月に見直しが入ります。東海から西については、9月になって、梅雨入りの日付が修正されるのではないかと踏んでいます。
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)