市川海老蔵、新しいことへの挑戦は 「賛否両論分かれてほしいが前提」
市川海老蔵が、新しい挑戦をリスクと捉えがちなことに疑問を呈し、「かぶく心を忘れてはならない」とつづる。
■明治座で古典と新作を上演
海老蔵は29、30日に東京・明治座で『海老蔵歌舞伎』の公演を開催。『実盛物語(さねもりものがたり)』と、音声SNS・Clubhouseから誕生した新作歌舞伎『KABUKU』の2つの演目を上演した。
『実盛物語』は、平安末期を舞台に、平家方の武将・斉藤実盛と源氏の白旗をめぐる物語で、実盛を海老蔵が、物語のカギを握る少年・太郎吉を長男・堀越勸玄が演じた。
また、『KABUKU』は江戸末期の洛中を舞台にしたストーリーで、『金田一少年の事件簿』などで知られる漫画原作者・樹林伸氏が原作を手がけている。
■建前へのアンチテーゼ
実盛物語では、実盛が源氏に心を寄せていたり、太郎吉が、ある登場人物の孫であったりと、意外な真実が明らかになっていく。
海老蔵は、「実盛物語はじつはじつはが重なりますが、何を表現したいのか、それはもちろん、源平の戦の中でのことや、その当時、劣勢に立たされている源氏の魂の話が表ですが、裏は政治的なことで、本当の真実は心にて、日本人には建前があることへのアンチテーゼであるわけです」と解説した。