コロナ禍で検査が遅れステージ3に… 米女性キャスターが結腸がんとの闘いで涙
愛しい息子はまだ4歳。「生きたい」という強い気持ちで、どうか病に打ち勝ってほしい。
アメリカの女性ニュースキャスターが、ステージ3の結腸がんと闘っていることを公表した。去年から体調不良を訴えていたものの、新型コロナウィルスの影響で、病院側から精密検査の延期を何度も告げられたという。
■医療のひっ迫が大きな影響
コロナ禍での医療体制のひっ迫は、入院を希望する新型コロナウイルス患者ばかりか、大がかりな検査を必要とする一般の患者にも大きな影響を及ぼしている。
がん検診後に要精密検査と告げられるも、延期が言い渡されるケースは洋の東西を問わず続出。その一人が、アメリカ『Fox News』のインディアナ支局でニュースキャスターを務めるリンディ・タクストンさん(40)だ。
■ステージ3の診断
2020年の初め、リンディさんは腹部のけいれん、血便や腰痛が続き、病院を受診した。医師は大腸内視鏡検査が必要と判断したものの、新型コロナウィルスの影響で3回も延期され、ようやく検査が行われた時には、すでに結腸がんのステージ3に進行していた。
地元メディアの『Indy Star』によれば、リンディさんは化学療法と放射線治療を行った後に手術を受け、直腸20センチと41個のリンパ節を切除。体重は18キロも減ってしまったという。
■愛しい息子はまだ4歳
手術は何とか終わったリンディさんだが、決して安心できる状態ではない。「かわいい盛りの4歳の息子もいる私にとって、この悔しさ、悲しみはうまく言葉にできません。愛する息子や夫と、あとどれほど一緒に過ごすことができるのか…」と語り、涙を浮かべた。
手術後も10回の化学療法を受け、つらい副作用に耐えるなど、ここ1年はがんと闘う日々だったリンディさん。「コロナにかかるのが怖いと思っていたのに、がんになってしまうなんて…。でも生きたい。生きるため、私はどんな治療でもしていきます」とも話している。
■大腸がんは高齢者だけの病気ではない
アメリカがん協会は、2020年に50歳未満の約1万8,000人が大腸がん(結腸・直腸がん)と診断されたとしているが、1980年代以降は特に若年層で患者が増加しているという。
リンディさんには大腸がんの家族歴はなく、まずは大腸の炎症が疑われた。30代という若さであることも、精密検査の順位がなかなか回って来ない原因だったかもしれない。
「私のように悔しい思いをしないよう、大腸の不調が続くなら、たとえ若くても必ず詳しい検査を受けたいと申し出て」「コロナ禍で医療体制がひっ迫していることは、社会の大きな問題です」とリンディさんは強く訴えている。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)