難病で抜け毛に悩む少女に学校は「帽子着用不許可」 同級生らが猛抗議する騒動に
友人たちは抗議のなかで、「こんな状況でも校則厳守って、先生たちは頭が固すぎる」と叫んだ。
1万人に数名の確率という難病が発覚した、イギリス・ダービーシャー州の女子中学生。彼女は現在、ひどい抜け毛の症状に苦しんでいる。だが教師たちは校則を理由に、彼女の帽子着用を認めようとしなかった。
これに対し、校内で猛烈な抗議活動が起きたことを『National World』『Mirror』など海外メディアが報じている。
■「頭部を隠したい」と相談
ダービーシャー州クラウンにあるヘリテージ・ハイスクールの中等部に通う、エラ・グッドウィンさん(13)。
彼女は2年半ほど前、慢性再発性多発性骨髄炎(Chronic Recurrent Multifocal Osteomyelitis・以下CRMO)という難病が発覚し、少し前からは頭部にも重い皮膚炎が現れるように。すでに広い範囲で頭髪が抜けてしまっている。
思春期は、ただでさえ人の目が気になるもの。彼女は教師に「パーカか黒い帽子で頭部を隠したい」と相談した。
■学年主任が独断で却下
ところが、担任教師と学年主任は「校則では許されていない。一人だけ例外をつくるわけにはいかない」とエラさんの帽子着用を認めなかった。失望したエラさんを見て、両親と同級生たちは激怒。
17日、彼らは抗議の旗やプラカードを振り、キャップやパーカを頭にかぶるなどして校内でデモを行った。これに驚いた校長は、ただちにエラさんを呼び帽子の着用を許可した。「会議に出席していて、相談があったことを知らなかった」と釈明している。
■骨や皮膚に重い病変
小児期や思春期の1万人に1~5人の割合で起きるCRMO。手や脚の大きく長い骨(長管骨)の骨幹端に病変が生じ、骨や関節の痛みが慢性的に生じる。また、思春期~成人では皮膚、眼、消化管に病変が現れることもある。
エラさんは「ポニーテールにしたら、髪の毛が塊となって抜け落ちた」と話している。美しい髪をばっさりと刈り、皮膚の症状が治まるまではボーイッシュなスタイルを続けることになるという。
■3割超に意味不明な校則あり
しらべぇ編集部が全国10~60代の男女1,789名を対象に調査したところ、全体の33.3%が「意味のわからない校則があった」と回答した。
今回のケースで、教師は「例外的に何かひとつを許せば、なし崩し的に違反者が続出する」と決めてかかっていた。難病ゆえの症状に苦しむエラさんが、もしも自分の娘だったら…と考えることができていれば、答えはまた違ったのかもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1,789名 (有効回答数)