2歳児がマグネットボール誤飲で胃に穴が開き血便も 塊と化した209個を摘出
幼児の日常生活における事故として近年多いのが、マグネットボールとボタン電池の誤飲事故だ。
ロシアでこのほど、腹痛に続いて血便が出た幼い女の子が、母親に連れられ病院に急いだ。女の子はなんと209個ものマグネットボールを飲み込んでいた。恐ろしい誤飲事故の話題をイギリスの『The Sun』ほかが報じている。
■209個ものマグネットボール
誤飲事故の話題は、モスクワから伝えられた。腹痛を訴えた2歳の女の子は、タールのような真っ黒の血便が出たことから病院へ。便には小さなマグネットボール1粒が混じっていた。
画像診断により、腹部には小さな丸い粒が大きな塊となって存在することが判明し、内視鏡により摘出手術が行われた。1粒ずつ慎重に、予想以上に細かい作業となったという。
■組織に穴が開く「穿通」
女の子の血便の原因は、胃の壁に開いた穴のせいだった。マグネットボール同士が強力にくっつき合うことにより、胃にある粒と小腸にある粒との間で「穿通(せんつう)」が起きていたという。
摘出されたマグネットボールは209個にも及んだ。女の子は健康を取り戻したが、医師は母親に「処置が遅れれば命はなかっただろう」と告げている。
■相次ぐマグネットボールの事故
2ヶ月前にマグネットボールが見当たらなくなり、「娘が誤飲したかもしれないと思ったが、大便とともに排出されるだろうと思った」などと話した母親。
だが医師はそれを否定。「1粒ならそれも可能だが、複数個では胃、小腸、大腸に塊を形成することになり、簡単には排出されない」と説明した。
オーストラリアでは昨年、1才半の女の子が32個のマグネットボールを飲み込み、腸に穴が開く寸前で緊急摘出手術を受けている。4歳の姉と仲良く遊んでいるため、親がちょっと目を離した隙に起きた事故だった。
■キャンディなどと勘違いか
近年、幼児の深刻な誤飲事故としては、マグネットボールとボタン電池によるものが非常に多い。マグネットボールは粒が美しく、キャンディなどと勘違いして口に入れるのではないかと考えられている。
ほぼ全ての事故は家族が購入したマグネットボールで起きているため、小さい子の手の届かない場所に保管することが重要だ。なお日本では、2009年2月より14歳未満を対象年齢とした販売は禁止されているという。
・合わせて読みたい→トイレ用発泡洗浄剤を口に入れた2歳女児 血を吐き心臓発作で死亡
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)