J&Jの新型コロナワクチン脳血栓発症6例に基礎疾患か 18歳米女性は3度も手術

若い女性に増えてきた、新型コロナウイルスワクチン接種後の血栓症。6例では基礎疾患も見えてきたようだ。

2021/04/21 18:15

ワクチン・予防接種
(show999/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

たった一度のワクチン接種で予防効果があるとして、大きな期待が集まっていたジョンソン・エンド・ジョンソン(以下J&J)による新型コロナウイルスワクチン。

しかし、若い女性が血栓症を発症するという深刻な副作用は、気になるところだ。アメリカ・ネバダ州の10代女性の症例について、『ラスベガス・レビュージャーナル』紙などが伝えている。


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■けいれんを起こし倒れる

J&Jとアストラゼネカのワクチンについて、接種後の若い女性が血栓症を発症する例が、アメリカで相次いで報告されている。ネバダ州ヘンダーソンのエマ・バーキーさん(18)もその一人だが、19日、家族が代理人を通じてメディアの取材に応じ、衝撃的な事実を明らかにした。

1日に接種を受けるも、1週間後に「気分が悪い」と言ってけいれんを起こし、その場に倒れたエマさん。救急搬送先のセントローズ・ドミニカン病院で脳の血栓が判明し、最先端の医療技術を誇るカリフォルニア州のロマ・リンダ大学医療センターにヘリコプターで空輸された。

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■頭部に3回もの手術

血栓を除去するため、エマさんは頭部に3回もの手術を受けた。新型コロナにより病室への見舞いは短時間に制限されているうえ、エマさんは気管切開で管を装用し、その開口部から呼吸している。

言葉を発することができず、父親のラスさんや母親のキャシーさんとのコミュニケーション方法は、表情と瞬きだけだ。

両親は医師から、エマさんは脳に大きなダメージを負い、まだ腫れが続いていると説明された。「どんなにゆっくりとでも、娘の身体機能はきっと回復すると信じています」と語り、日々祈り続けているという。

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■6例に基礎疾患か

約700万回のJ&Jワクチンが投与されたアメリカ。18~48歳までの女性9名が接種後6〜13日に血栓症を発症したことを受け、現在は接種を中断している。

うち6例では基礎疾患として血小板減少症があり、血栓の種類は、脳から心臓へ血液が戻る静脈や静脈洞で起きる「脳静脈血栓症」と確認された。ほかの3例について基礎疾患などは不明だという。

米国疾病予防管理センター(CDC)および米国食品医薬品局(FDA)は、発症例の一握りしか報告されていない可能性もあるとして、さらなる調査を進めている。


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■ウイルスベクターワクチン

J&Jによる新型コロナウイルスワクチンは、アストラゼネカと同じ「ウイルスベクターワクチン」だ。運び屋(ベクター)と呼ばれる人体に無害なウイルスを用いて新型コロナウイルスの遺伝子を投与し、タンパク質を作らせて免疫を獲得させるという。

ただし、変異株に対応するため毎年接種するとなると、効果が失われていくのではと懸念する声もあるようだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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