世紀の冤罪・袴田事件 再審を求めて袴田巌さんの姉・秀子さんが特派員協会で会見

1966年に起きた事件で一貫して無罪を主張しながら死刑判決を受け、48年間拘禁された袴田巌さん。姉・秀子さんが再審を求めて記者会見した。

2021/04/20 08:25

■長く面会謝絶

袴田巌元死刑囚

袴田さんは拘禁ノイローゼからだろうか、1990年代半ばから、姉・秀子さん、弁護士との面会も拒否するようになった。秀子さんは当時、衆院議員だった保坂展人世田谷区長に相談。袴田さんの誕生日にあたる2003年3月10日、保坂氏や秀子さん、弁護士らと東京拘置所で接見した。

私ごとになるが筆者は14歳の時、保坂氏が教育ジャーナリストだった1994年に初めて出会った。氏の影響をジャーナリストを志し、今に至る。保坂氏とはずっと付き合いがあったため、当時、袴田さんがどういう状況だったか、リアルタイムで聞いていた。


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■自分を全能の神と発言

袴田さんが釈放された直後に、世田谷区長室で事件についてインタビューした。死刑囚・袴田さんは28分間の面会で次のような意味不明の言葉を繰り返したという。


「袴田巌はもういない。ムゲンサイサイネンゲツ(無限歳歳年月?)歳はない。地球がないときに生まれてきた。地球を作った人」


「神の国の儀式があって、袴田巌は勝った。日本国家に対して5億円の損害賠償をとった」


「全世界のばい菌と戦っている。(ばい菌に)死刑判決を下している。昨年1月8日まで袴田巌はいた、もういなくなった。1月8日に全能の神である自分が吸収した。中に入っていった。私の智恵の一つ。なくなっちゃう」


「神の儀式で決まった。死刑囚はしょうがない。死刑も廃止した。東京拘置所は廃止された。監獄は廃止した。東京国家調査所、オレは所長一番偉い。私は世界一の男だ。ばい菌が一つになった・・・1月8日死刑執行は拒否、いなくなった。袴田巌はいなくなった」


「監獄はなくなった。廃止された。東京拘置所はなくなった。東京国家調査所、所長……。死刑執行をできないようにした」


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■死刑の恐怖心・絶望から妄想に