女性の20人に1人が子宮に奇形あり 2つの膣を隔てる壁を切除する例も
婦人科健診、不妊症、習慣流産の検査で、発見されることがある子宮の奇形。全女性にとって他人事ではない。
長いこと気づかずにいた、自分の体に関する驚きの秘密。ある女性がTikTokで「膣が2つあったんです」と告白し、大きな関心を集めていることを『NEW YORK POST』などが伝えた。
■告白に54万超の「いいね」
TikTokのアカウント「britsburg」で、自身の秘密を打ち明けたブリタニー・ジェイコブズさん。25歳で出産を経験した際、看護師からやんわりと「あなたは膣が2つあるわね」と告げられたそうだ。
ブリタニーさんは出産がスムーズに進むよう、狭い膣を二分している中隔(壁)を取り払う手術を受け、第1子を無事出産。産後、医師から膣ばかりか子宮頸部、子宮がそれぞれ2つずつある「完全重複子宮」と説明され、片方の子宮で妊娠していたことを知らされたという。
■月に二度のキツい生理
ブリタニーさんは、体の奥深くや陰部に起きていた奇形など知る由もなかった。しかし長年にわたり、じつは何かがおかしいという違和感を抱いていた。
毎月二度も起こる生理はあまりにも出血量が多く、激しい痛みで「月経困難症」と診断され、弱り果てていた。医師から、子宮の奇形のため月経血がスムーズに排泄されず、子宮が強い収縮を起こしていたのだろうとの説明を受け、「すべてが腑に落ちた」という。第2子は安産だったそうだ。
■5%の女性に子宮の奇形
母親のお腹の中で、女の子の胎児は早い時期にミュラー管と呼ばれる2本の管が癒合。やがて子宮・子宮頚部・膣が形成されると中隔部分は自然に消退するが、何らかの原因で残ってしまうと子宮の奇形につながる。
子宮の奇形は、婦人科健診、不妊症、習慣流産の検査で発見されることがあるが、全女性の5%が当てはまり、決して珍しいものではない。ただ、同時に腎臓の問題が発覚する割合が高いといい、念のためそちらの検査も必要になるという。
■無事出産する例も増加中
子宮の奇形が原因で早産、子宮破裂、死産が起きるケースはゼロではない。だがブリタニーさんのように、子宮から膣までが完全に二分されている「重複子宮」であっても、米国・コネチカット州の30代女性は昨年4月、二卵性双生児を無事出産していた。
女性の20人に1人に、何らかの奇形があるという子宮。複雑な治療が必要なケースはほとんどないため、深く悩み過ぎず、医師の説明によく耳を傾けることが必要だという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)