ケチャップ不足で米国ファストフード店が大打撃か 他店からかき集める店主まで

添えずにフライドポテトやピザを販売するなど、アメリカでは「あり得ない」と言われている。

2021/04/09 19:45

ケチャップ・ポーション・ミニパック
(Coprid/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

新型コロナウイルスのパンデミックにより、大打撃を受けている飲食業界。一方で、米国のファストフード店は今、生活に欠かせないモノの品薄状態に悩まされているという。原因は、テイクアウトやデリバリーの利用者が急増したことにあるようだ。


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■ファストフード店の新たな悩み

このコロナ禍、アメリカではファストフード店やレストランが、ケチャップ不足という新たな問題に直面しているという。『The Wall Street Journal』や、イギリスの『BBC』『The Independent』などが伝えた。

アメリカのファストフード店のデリバリーやテイクアウトの商品には、必ずと言ってよいほどケチャップのミニパック(ポーション)が添えられている。イートインの客がボトルから絞り出すのと同様に、無料で添えられるが、当然コストは高くなる。

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■デリバリーやテイクアウトが利用増

ロックダウンが繰り返され、疾病予防管理センター(CDC)が飲食店の利用をデリバリーやテイクアウトのみにと促す度に、ケチャップのミニパック不足は深刻化。

世界的に有名な『HEINZ』を製造するクラフト・ハインツ・カンパニー社(本拠地イリノイ州シカゴ)には、「生産を増やしてほしい」という要望が相次いだ。

そこで同社は、「生産量の25%アップ」を約束。加えて顧客同士がボトルに触れずケチャップを注げる「ノータッチ・ディスペンサー」を開発し、この窮地に対応するという。

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■売上高も価格も急上昇

市場調査会社のユーロモニター・インターナショナルによる調査では、コロナ禍で需要に急激な高まりを見せたケチャップのミニパックは、2020年の売上高が前年度に比べ15%も増加と発表した。

さらに『The Wall Street Journal』は現在の価格について、2020年1月から13%も上昇したと報じている。


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■他店からもらってくる店主も

職場でも家庭でも、マイボトルを用意すればいい話かもしれない。しかしアメリカでは、ケチャップを添えずにフライドポテトを販売すれば、顧客を激怒させ悶着が起きかねないと、考える飲食店が少なくない。

目下の不安を解消するため、他店からミニパックをごっそりと集めてくる店主まで現れているという。MBL、NFL、NBAなど人気のスポーツイベントが全米各地で再開されたら、「もはや欠品するのでは」とさらなる不安を募らせる店もあるようだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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