テレ東『青春高校3年C組』の終了 奪われたものと見出したもの
突如、終了することとなったバラエティ界の大プロジェクトは、何を生み出すのだろうか。
■リモートの可能性と限界
コロナ禍によるスタジオ内の人数制限とリモート形式は、漫才勢とひな壇によって固着化していたお笑いやバラエティの世界を解体する力を秘めるかに見えた。
しかし、リモートによるタレント同士のテンポのずれや、その場にいないことの弊害は克服し難いものであり、多数の生徒を擁する青春高校にも、コロナ禍の弊害は大きかったように思われる。多くの生徒で繰り広げるスタジオでの青春高校は失われた。
■プロジェクトの早めの終了
アイドル活動の制限は、青春高校にとって最も致命的であっただろう。いち早く青春高校が解散を選んだ理由は、メンバーが元々は一般から募った生徒たちで、生徒間でも今後の将来設計において、プロのタレントであるかどうかがまばらであったからと思われる。
佐久間Pも自身の『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)で、コロナでライブもできず収録も人数が多いのでずっとリモート。緊急事態宣言で全く活動できなくなり、21、2ぐらいの子たちの未来を抱えているのは申し訳ない、無責任になる、として説明した。
■青春高校の未来
既述の通り、青春高校の生徒は、想定以上にポテンシャルの高いメンバーが集まったといえるだろう。ここから女優・俳優になるメンバーも生まれ、その際には、早期解散の決断が功を奏しているかもしれない。
青春高校の人数と多様性が継続を困難にしたと考えれば、極一部のメンバーのみでの部分的な再始動も考えられる。
女子アイドル部の数メンバーとテレ東女子アナで構成された『電脳トークTV』シリーズ(テレビ東京系列)という5分番組は勢いを持ち、当初の予定より1年以上続いた。このような部分的な再始動も期待される。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)