煙が発生するのは不完全燃焼だから? チコちゃんが詳しく紹介
『チコちゃんに叱られる』で火から煙が出る理由を細かく解説。煙をうまく使う紹介。
26日に放送された『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)で扱われたテーマのひとつ、「なぜ燃やすと煙が出る」が注目を集めている。火がつくと煙が出てくることは当たり前のように認知しているが、その理由について説明できる人はどのくらいいるだろうか。
■「酸素と熱が足りないから」
チコちゃんのテーマに対する答えは、「酸素と熱が足りないから」という。煙は、空気中に漂っていることから、「気体」だと考えられがちだが、じつは「個体」や「液体」なのだという。
例えば、木を燃やすと木の中に含まれる水分が蒸発して水蒸気となったものが煙なのだという。水蒸気が外気に冷やされることで小さな水の粒となり、人間の目にも見えるようになる。つまり、ヤカンの口から出る湯気と全く同じものである。
燃焼が進むと木から可燃性ガス(燃えやすいガス)が発生。可燃性ガスは酸素が十分にあると気体しか出さないため、目には見えない。ガスコンロから煙が出ないのは、可燃性ガスに十分な酸素を与えているからである。
■内部が不完全燃焼となり…
焚き火の現場では大量の煙がモクモクと発生するのは、一部の火が酸欠状態になってしまう不完全燃焼状態だからだという。
火の外側は、木から出た可燃性ガスと酸素が結びついてしっかりと燃えるため、煙は発生しない。しかし、外側で酸素を消費しつくしてしまうと内側に酸素が十分とどかずに不完全燃焼となってしまう。
この時に炭素などのガスの燃えきらなかった成分がモクモクと溢れ出てくることに。つまり、酸素と結びつくことができなかった小さな炭素の粒の集まりのことを煙と呼ぶ。
■煙は悪いことだけではない
一般的に嫌われがちな煙だが、料理に使われることもある。宮崎地鶏の炭火焼は、地鶏の油を燃やしてわざと煙を肉にまとわせることで、香ばしい風味をつけている。
他にも燻製も煙を利用した調理法で、木のチップなどを不完全燃焼させて、出た煙で食材をいぶす。この調理法は、煙に含まれる殺菌・防腐効果のある成分が食材を長持ちさせつつ、スモーキーな風味を与える。
よく燃えているからこそ、煙が出るわけでなく、十分な酸素と結びついていない部分が煙を出していた。意外な事実だったが、チコちゃんが解説してくれなければ知る機会は訪れなかったかもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・Aomi)