保険金2800万円欲しさに息子2人を殺害 40代父親に懲役212年の実刑判決

裁判長は冷血非道な被告に、「息子2人を殺した後悔があなたから感じ取れない」と言い放った。

2021/03/19 11:00

生命保険・保険金
(takasuu/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

息子2人と妻が乗った車を埠頭から転落させ、高額の保険金を搾取していた40代の男。米国・ロサンゼルスの裁判所でこのたび、冷血非道な父親に重い刑罰が言い渡されたことを、『CBS News』などが報じている。


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■次男と三男が水死

ロサンゼルスの港湾地区であるサンペドロで2015年4月9日、埠頭に停められた1台の車が海に転落し、後部座席の少年2名が死亡した。運転手のアリ・F・エルメザイエン(45)が車から離れた隙の出来事だった。

死亡したのは次男と三男で、ふたりは共に自閉症と診断されていた。キャンプに参加していたため長男は無事で、助手席に乗っていたアリの元妻で息子たちの母親は、何とか車から自力で出てきたところを漁師に助けられた。

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■8社もの保険会社と契約

この事故を経て、父親のアリは息子2人に掛けていた生命保険金の受取を申請。やがて銀行口座に2社から261,751ドル(日本円で約2,850万円)が振り込まれた。

だがアリは、2012年7月から2013年3月にかけ8社もの保険会社と契約し、自身と家族に計3億円以上の生命保険および傷害死亡保険を次々と掛けていた。うち1社は、妻に掛けた保険の契約内容について、アリから「突然の事故死でも保険金を受け取れるのか」と質問されていたという。

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■年収に見合わぬ保険契約内容

警察と保険調査員が怪しんだのは、アリの年収と保険契約内容のバランスが不自然なことだった。確定申告からわかったアリの年収は約300万円。ところが2年にわたり年間65万円もの保険料を支払っていたのだ。

車を故意に転落させた可能性を視野に入れ、徹底的な調査が行われた結果、アリは2019年に、保険金詐欺、殺人、殺人未遂などの容疑で逮捕・起訴された。また、受け取った保険金でエジプトに不動産とボートを購入していたこともわかり、マネーロンダリングの容疑も加わった。


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■「悪魔による邪悪な犯行」

このほど連邦地方裁判所で事件の裁判が開かれ、裁判長はアリ被告に対し懲役212年の実刑判決を言い渡すとともに、搾取した261,751ドルを保険会社に返納するよう命じた。

判決理由のなかで「悪魔が計画した邪悪な犯行」と表現した裁判長。被告の残忍で冷血非道な性格については、「息子2人を殺した後悔が被告からは感じ取れない。唯一あるとすれば、それは自分が逮捕されたことでしょう」と述べたという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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