母思いの10代少年が「DVから守りたかった」 父親刺殺で実刑20年の可能性も
虐待を繰り返す父親から、大好きな母親を守りたい。そう考えた息子が、包丁で父親に襲いかかった。
異常な嫉妬心ゆえに、常軌を逸した行動に及ぶようになった父親から、母親を守ろうとした少年。『The Daily Star』などが報じている。
■崩壊した家庭
イタリアで暮らす少年(当時17)が、異常に嫉妬心が強く母親を手荒に扱う父親(52)に困り果てていた。そんな暮らしを長く続けた結果、少年は「このままでは母さんが殺されてしまう」という不安を抱えるように。
だが状況はまるで良くならず、2020年4月には信頼していたオジにメッセージを送信。もはや動揺は隠しきれず、「おじちゃんしか話を聞いてくれる人がいない」「なんとかしてほしい、僕たちの命が危ないんだ」と救いを求めた。
■母親を助けたかった息子
オジにメッセージを送った晩、父親はやはり母親に言いがかりをつけ、暴れ始めた。
「お前の同僚が肩に触るのを見たぞ、あいつと浮気しているな」。そう声を荒げた父親は電話をつかみ、母親の顔面に投げつけた。その瞬間、少年は母親を守ろうと決意し、咄嗟に包丁をつかんで振り上げ、24回も刺して父親の息の根を止めた。
その後に少年は自ら通報し、自首した。事情を調べた当局が「留置の必要性はない」と判断したため、少年は友人宅に身を寄せ、静かに暮らしながら勉強に励んだという。