エアガン撃たれ「尿を飲め」 13歳少年への壮絶いじめ被害で当局が動く
被害者の心から自尊心や自信を奪い、憎悪の感情を増幅させる少年期のいじめ。絶対に許されないことだ。
米国・テキサス州の中学校に通う黒人の少年が、残虐ないじめを受けていることが明らかになった。心身ともに大変なダメージを受け、少年は不安神経症を発症。薬を手放せない生活になってしまったことを『NEW YORK POST』や『CNN』が報じ、波紋を広げている。
■少年は不安神経症と不眠症に
いじめの話題が伝えられたのは、テキサス州コリン郡のプレイノにあるハッガード中学。被害に遭っていたのは、8年生(中学2年生)のセマリオン・ハンフリーくん(13)だ。
白人やヒスパニック系のクラスメートから差別的な言葉で罵られる学校生活に耐える中、セマリオンくんは不安神経症と不眠症を発症し、処方薬を手放せなくなっていた。
薬の影響で居眠りしそうになれば、「起きろ」と平手打ちを浴びせられ、サッカー部に入部するも更衣室で殴られ、ベルトで鞭を打たれるなど、激しい暴行を受けて退部していた。
■尿入りのコップを「飲め」
先月中旬には、クラスメートのカエル狩りに同行したところ、そこでエアガンの集中砲火を浴びたセマリオンくん。続いては尿入りのコップを突き付けられ、「水だから飲め」と強要された。
少年の家族はいじめの加害者たちの存在に脅かされ、定住を恐れて仮設住宅住まいを続けてきたが、ついに「このままでは息子がおかしくなる」と転校を希望。母親のサマー・スミスさんが教育委員会に直訴し、調査を依頼した。
■第三者組織による徹底調査も
「尿を飲め」と強要する様子を撮影した証拠動画が存在することがわかり、セマリオンくんに対するいじめや人権侵害の実態は、続々と明らかになった。
プレイノ市のサラ・ボンサー教育委員長は記者会見を開き、「コミュニティーを守るためにも、いじめは決して容認されない。警察当局を巻き込み、さらに独立した第三者組織による徹底した調査を行う」と説明した。
家族が雇ったキム・T・コール弁護士も積極的に調査を行っており、いずれ法的措置が取られる可能性がありそうだ。
■「いじめは犯罪」は8割弱
しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,363名を対象に調査を実施したところ、「いじめは犯罪として処罰されるべき」と答えた人は全体の77.8%だった。
社会の多くの人々が、いじめを刑事事件として扱い、もっと厳しい罰をと望んでいるのだろう。
無差別殺人事件の動機が、いじめられた過去の復讐であるケースは少なくない。いじめは、被害者の体ばかりか心にも大きなダメージを与え、自尊心や自信を奪い、憎悪の感情を増幅させるものだということを、忘れてはならない。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,363名(有効回答数)