黒板を見た子供たち、図工教師の粋なプレゼントに感動 気になる保護者の反応は…
小学校の教師が投稿した1件のツイート。黒板一面に貼られた「作品」に対し、感動の声が相次いでいる。
■感銘を受け、保護者もノリノリに
ことの発端は、昨年の今頃の時期。新型コロナウイルスの影響で小学校が休校になる前に、荒川さんは生徒から「『鬼滅の刃』知ってる?」とたずねられる。
休校になったことで「図工」の授業動画制作に追われる毎日ではあったのだが、家にいる時間が増えたため、『鬼滅』のアニメを一晩で「イッキ見」したところ、非常に魅力的なキャラクター達を受け「これは学校が始まったら、ぜひ描いてみせたい」と、子供たちの笑顔を想像しつつ思い至ったそうだ。
実際にイラストを黒板に並べて貼り出した際、子供たちからは「先生スゴすぎるよう!」「煉獄さんだ! 煉獄さんがいる!」「先生、なんで写し絵じゃないのに、こんなに描けるの!?」と、感動と興奮、そして驚きの入り混じった歓声が上がる。
子供たちの感動は保護者にも伝わり、なんとPTA有志の「書道クラブ」に所属する母親たちからも「先生の描いたイラストと一緒に、キャラクターの名前や柱の文字の書を展示したい」と希望する声が。
鬼滅イラストを描く噂が保護者にも広がり、PTA有志の書道クラブのお母様方より、名前や柱の文字と一緒に先生の描いたイラストを展示したいとのことで、学校の廊下が華やかに。書道に興味を持つ子どもが増えそうです。コラボ展示に子どもも大人も大喜び!!#鬼滅の刃 #図工の先生 #鬼滅の刃イラスト pic.twitter.com/Px0tzqPH1k
— 荒川由貴 (@yukiarakawa777) March 1, 2021
「柱」のメンバーを全員描いたのはこのタイミングで、完成したイラストを受けての子供たちの反響は、まさに「予想以上」だったという。
荒川さんは「書道に興味を持つ子供が増えそうです」「お母さまたちとのコラボ展示に、子供も大人も大喜びでした」と笑顔で語ってくれた。
■漫画作品のイラストが上手な理由は…
ひと言に「絵」といっても、いわゆる漫画のキャライラストを描くことと、授業における図工課題の絵では、異なる視点や技術が求められるように感じられる。
そこで荒川さんに踏み込んだ事情をたずねてみたところ、本人からは「私自身、子供の頃から漫画家に憧れていて、毎日毎日友人らと少女漫画を描いていました」という回答が。
締め切りを決めて6〜7人で漫画冊子を作り「連載形式」をとっていたり、担任の教師にいらない紙をもらいにいったり、自身の漫画の主題歌なども作り、「いつかアニメ化されたらいいなぁ」と想像していたりと、当時の様子を振り返ってくれた。
高校1年生の時には集英社『りぼん』編集部に持ち込み投稿をし、編集者から親切なコメントをもらうなど、貴重な体験ができたそうだが、「自分はプロの漫画家にはなれそうにない」とも感じ、漫画を描くことは「趣味」に留めることを決める。
もともと少女漫画の漫画家を志していたこともあり、「ほんわかした蜜璃ちゃん、禰󠄀豆子ちゃん、カナヲちゃんを描くのが楽しかったです」「難しかったのは男性キャラクターの髪の毛。少年マンガ特有のタッチというのか…力強いタッチ。髪の表現が面白いなあと、勉強になりました」とのこと。
「漫画家の夢は諦めたけれど、子供たちが喜んでくれるので、これまでの経験が役に立って良かったです」というコメントには、思わず記者の胸も熱くなってしまった。