黒板を見た子供たち、図工教師の粋なプレゼントに感動 気になる保護者の反応は…

小学校の教師が投稿した1件のツイート。黒板一面に貼られた「作品」に対し、感動の声が相次いでいる。

2021/03/04 05:45

■感銘を受け、保護者もノリノリに

ことの発端は、昨年の今頃の時期。新型コロナウイルスの影響で小学校が休校になる前に、荒川さんは生徒から「『鬼滅の刃』知ってる?」とたずねられる。

休校になったことで「図工」の授業動画制作に追われる毎日ではあったのだが、家にいる時間が増えたため、『鬼滅』のアニメを一晩で「イッキ見」したところ、非常に魅力的なキャラクター達を受け「これは学校が始まったら、ぜひ描いてみせたい」と、子供たちの笑顔を想像しつつ思い至ったそうだ。

実際にイラストを黒板に並べて貼り出した際、子供たちからは「先生スゴすぎるよう!」「煉獄さんだ! 煉獄さんがいる!」「先生、なんで写し絵じゃないのに、こんなに描けるの!?」と、感動と興奮、そして驚きの入り混じった歓声が上がる。

子供たちの感動は保護者にも伝わり、なんとPTA有志の「書道クラブ」に所属する母親たちからも「先生の描いたイラストと一緒に、キャラクターの名前や柱の文字の書を展示したい」と希望する声が。

「柱」のメンバーを全員描いたのはこのタイミングで、完成したイラストを受けての子供たちの反響は、まさに「予想以上」だったという。

荒川さんは「書道に興味を持つ子供が増えそうです」「お母さまたちとのコラボ展示に、子供も大人も大喜びでした」と笑顔で語ってくれた。


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■漫画作品のイラストが上手な理由は…

ひと言に「絵」といっても、いわゆる漫画のキャライラストを描くことと、授業における図工課題の絵では、異なる視点や技術が求められるように感じられる。

そこで荒川さんに踏み込んだ事情をたずねてみたところ、本人からは「私自身、子供の頃から漫画家に憧れていて、毎日毎日友人らと少女漫画を描いていました」という回答が。

締め切りを決めて6〜7人で漫画冊子を作り「連載形式」をとっていたり、担任の教師にいらない紙をもらいにいったり、自身の漫画の主題歌なども作り、「いつかアニメ化されたらいいなぁ」と想像していたりと、当時の様子を振り返ってくれた。

鬼滅の刃
(画像提供:荒川由貴さん)

高校1年生の時には集英社『りぼん』編集部に持ち込み投稿をし、編集者から親切なコメントをもらうなど、貴重な体験ができたそうだが、「自分はプロの漫画家にはなれそうにない」とも感じ、漫画を描くことは「趣味」に留めることを決める。

もともと少女漫画の漫画家を志していたこともあり、「ほんわかした蜜璃ちゃん、禰󠄀豆子ちゃん、カナヲちゃんを描くのが楽しかったです」「難しかったのは男性キャラクターの髪の毛。少年マンガ特有のタッチというのか…力強いタッチ。髪の表現が面白いなあと、勉強になりました」とのこと。

「漫画家の夢は諦めたけれど、子供たちが喜んでくれるので、これまでの経験が役に立って良かったです」というコメントには、思わず記者の胸も熱くなってしまった。

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