男女差別発言問題 過去には「ばばあ」発言で慰謝料を支払った事例も
社会的に関心が高まっている、男女差別発言問題。どんなものが法律的にアウトになるのか、弁護士が解説
昨今、男女差別発言が話題になっていますが、法律問題にまでは発展していません。過去には職場やプロジェクトにおいての男女差別発言から、法律問題にまで発展したような事例はあるのでしょうか。
■「ばばあ」発言で慰謝料
この問題について、齋藤健博弁護士によると…
齋藤弁護士:男女差別発言だけを切り出して、法律問題にまで発展するケースはそう多くありません。しかし、たとえば差別的な意味も込めて、男性が女性に対して「ばばあ」などと発言したケース(東京地方裁判所平成24年11月30日裁判例)、では男性から女性に慰謝料5万円を支払われた事例もあります。
■法律問題になる・ならないの線引きは
――この場合、法律問題に「なる」「ならない」の線引きはどこにあるのでしょうか。
齋藤弁護士:裁判の現場では、個別的な被害者の救済に主眼が置かれます。そうすると、不特定多数に向けられた女性蔑視の発言は、どうしても問題提起が難しくなります。
そのため、特定の発言が、誰に対して向けられたか明らかにすることができれば、セクハラ・パワハラとして法的な問題に発展することは十分ありえます。
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(企画・文/弁護士・齋藤 健博)