「ミス・ワールド」出場資格は処女のみ? 会長の保守的な考えに女性らが猛反発
『ミス・ワールド』のジュリア・モーリー会長を怒らせたのは、2018年のミス・ウクライナによるある「嘘」だった。その彼女が立ち上がり、出場の規約について抗議活動を始めた。
ミス・ユニバース、ミス・インターナショナルと並ぶ世界三大ミスコンテストのひとつで、世界の美しいリゾート地を巡りながら毎年開催されている『ミス・ワールド』。
今、このコンテストの主催者である80代の女性会長に対し、猛烈が抗議が起きていることを、『The Sun』や『Knowledia News』など英米のメディアが報じた。
■「シングルマザーお断り」
英国・ロンドンを拠点に発展した『ミス・ワールド』。その創設者であるエリック・モーリー氏が2000年に他界し、現在は同氏の未亡人であるジュリア・モーリーさん(81)が会長を務めている。
そのジュリア会長は最近、出場者を対象とする規約のなかに、ある項目を加えていた。シングルマザーはミス・ワールドの対象外で、現在が独身でもエントリーを認めないという内容だった。
■「なんと時代遅れな…」
ジュリア会長のその発想には、世界中の女性から「なんと時代遅れ」「頭が固すぎる」などと批判が殺到。多くが「つまり処女のためのコンテストってわけ?」と怒りをあらわにした。
内外の美しさを十分に湛えていても、結婚や妊娠出産を一度でも経験したら評価しないという考え方は、あまりにもおかしいというのだ。だが、ジュリア会長も一歩も譲らない。彼女がそう思い至った原因は、2018年度のある出場者がついた「嘘」にあった。
■ジュリア会長の主張
予選会を通過し、2018年12月のミス・ワールド決勝大会に臨む予定だったミス・ウクライナのヴェロニカ・デドゥセンコさん(当時23歳)は、バツイチで4歳の子のママだった。だが、エントリー時に彼女はそれを隠していたという。
本選の間際に失格し、2019年に人権侵害だと主張したヴェロニカさん。だがイギリスの平等人権委員会(EHRC)は、失格の判断を支持した。
ジュリア会長は「優勝すると各種のイベントに呼ばれ、世界中を飛び回る日々が始まります。子供はどうするのでしょうか」と説明。子供を保護するため、出場資格に新たな規定を設ける必要があるという考えを、ますます強めていたようだ。
■貞操観念は男女で大きな差
しらべぇ編集部は全国20~60代の男女1,348名を対象に調査を実施。「付き合うなら処女か童貞がいいというのはおかしいと思う」と回答した人は、男性が全体の36.9%、女性が全体の57.2%と男女で大きな差がみられた。
ジュリア会長が唱える新しい規約に対し、ヴェロニカさんが主導となって現在オンラインで抗議活動が行われており、世界の25,000人以上から賛同の署名が集まっている。シングルマザーだって出てみたいミスコン。その夢が叶う日は果たしてくるのだろうか…。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,348名 (有効回答数)