ニセ獣医が帝王切開で犬を死なせる 無免許と知りつつ預けた飼い主と共に逮捕
動物病院の費用は、それなりに高額だ。だが、あまりにも安く診てくれる獣医には、危険が伴う。
米国・フロリダ州で、無免許にもかかわらず、安価で動物に対する医療行為を行っていた男が逮捕された。地元メディアの『Orlando Sentinel』に続き『PEOPLE』もこの話題を報じ、愛犬家らの強い怒りを買っている。
■40 kmもの距離を車で
フロリダ州レイク郡で先週、獣医を装っていたフランキー・フエルタス・リベラという33歳の男が、警察に逮捕された。
また、そんなリベラに飼い犬であるフレンチブルドッグのライラを託し、危険な医療行為をさせていたオーランド市のラリー・コロンという50歳の男も、動物愛護法違反の疑いで逮捕されている。
コロン容疑者の自宅はリベラのニセ動物病院から40 kmも離れており、出産を控えたライラと10代の娘を車に乗せ、リベラ容疑者の元に急いだことがわかっている。
■不潔な施術が原因で…
あまり麻酔が効いていない状態でメスを入れられるなど、適切な処置が施されないライラは、子犬が6匹生まれた後ぐったりと動かなくなった。慌てたコロンと娘は、ライラを連れて正規の動物病院に急行したが、到着時にライラはすでに絶命していた。
詳しい診察の結果、不潔な開腹手術により敗血症性ショックが起きていたことがわかり、子宮の中には子犬が2匹残っていたが、いずれの命も救うことは叶わなかった。
■スタッフの証言
レイク郡保安官事務所によると、コロンは施術料金として650ドル(日本円で約68,000円)を支払っており、「本物の獣医だと信じていた」などと主張していた。
しかし、リベラのニセ動物病院のスタッフは、「先生は無免許だから手術は任せるべきではない」と忠告していたと証言。これにより、コロンも第三級動物虐待の容疑で起訴された。
裁判でも、獣医が無免許であることをその時点で知っていたと判断された場合、飼い主にも重い罪が下るという。
■費用の節約にこだわった父親
現場でライラの出産を心配そうに見守っていたコロンの娘は、一部始終を録画し、動画をTikTokに投稿していた。しかし、その後に削除。エセ医療行為の動かぬ証拠として、警察に提出している。
ライラの出産費用を何とか節約しようと、安く診てくれる獣医を探し続けていた父親。その様子を思い出し、娘は「悔しくてならない」と話しているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)