菊地成孔、主宰バンドの解散を発表 「音楽愛好家の方にならご理解頂けると思います」

菊地成孔が「DC/PRG」の解散、ライブツアーの開催を発表。解散理由や決意の時期についても明かした。

■ 解散を以ってポリシーを貫くべきと判断

菊地:ですが我々は、20年間名称を変えながら、アルバムでは常に新しい音楽性にトライを続けて参りましたし、合衆国の名門ラベルでもある「インパルス!」との契約も果たしましたが、ここ数年は心ならずも、ライブのセットリストも固定化し、元老院(オリジナルメンバー)である坪口、大儀見、津上、を始め、最新のメンバーである秋元修、近藤佑太までも含め、伝統芸能化してきたことは否めません。


そして、主幹たる私個人の力では、この状況は打破できない、我々は解散を以ってポリシーを貫くべきだと判断に至りました。


そして一方、我々の活動理念を古くからご存知の方々には「アメリカ合衆国の戦争反復が、主に国力の低下によって盤石ではなくなってきたこと、あらゆる形のアルター・ウォーが21世紀、とくに、20世紀のそれ (例えば南北合衆国の臍の緒であるメキシコに於いては、16、19世紀にも20年代は混乱状態にありましたが)と見紛うような、来るべき混乱の20年代に向けて、世界的にシフトチェンジを起こしている」と感じたから、と付け加えさせて頂きます。


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■予想外のことは何一つなかった

菊地:前述の通り、決意し、メンバーに合意を取った時点では、コロナ禍は緩慢ではあるが収束に向かうと思われていましたし、スーパーチューズデー以前からの合衆国の流れは、具体的な事件を伴って、変わり行く合衆国の断末魔を鳴り響かせ続けていますが、その兆しは19年から感じ取っており、予想外のことは何一つありませんでした。


デヴュー作「アイアンマウンテン報告」発表前から最新作「フランツ・カフカのサウス・アメリカ ft W・シ ェイクスピア」発表後にかけてまで一貫していた、合衆国の<他国への空爆と経済の維持>という反復は今や、<南北戦争以来の内戦準備状態>にシフトチェンジしていると、私は敢えて強引に判断します。


旧知の ファンの皆様には言うまでもありませんが「アイアンマウンテン報告」のリリースパーティーの3日前は、 2001年9月11日でした。あの事件が、我々の誕生に対する啓示であり、その号砲の余韻が、違うサウ ンドに変わり、音量を上げつつある、と云うことです。

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