ファイザー社の新型コロナワクチンは「マイナス25℃保管でOK」 公式サイトで報告

マイナス80〜同60度での輸送や保管が必要とされてきたファイザー社の新型コロナウイルス・ワクチン。だが、その条件が緩和されそうだ。

2021/02/20 14:30

新型コロナウイルスワクチン・注射
(Chaz Bharj/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

超冷凍での輸送や保管など、特別慎重な扱いが求められるとして、日本でもその整備に時間がかかっていたファイザー社の「mRNAワクチンBNT162b2」。

ところが19 日、同社は「そこまでの超冷凍保存は必要ないことがわかった」と公式ホームページに発表した。世界中の関心が集まっている。


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■マイナス80〜60℃が理想だったが…

ファイザー社による新型コロナウイルス・ワクチン候補のmRNAワクチンは、その性質上、輸送中も保管もマイナス80〜60℃の範囲で効果が保たれるとされてきた。

しかし、ファイザー社および共同開発にあたったビオンテック(BioNTech)社は、このほど米・食品医薬品局(FDA)に新たな報告書を提出。

その内容は、『PFIZER AND BIONTECH SUBMIT COVID-19 VACCINE STABILITY DATA AT STANDARD FREEZER TEMPERATURE TO THE U.S. FDA』とのタイトルで、ファイザー社の公式ホームページにも19日付で示されている。

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■モデルナ・ワクチンとほぼ互角か

ワクチンを摂氏マイナス25~15℃で保管した場合、安定した効果を維持できるのか研究を続けていたというファイザー社。その結果、最大で2週間効果を維持できることがわかったという。

超冷凍で保管という条件に縛られない、モデルナ社の新型コロナ・ワクチン「mRNA-1273」のほうが扱いやすいという声が多かったことは否めず、保温条件の緩和を目指した調査・研究は同社にとっても重要な課題だったようだ。

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■流通に関する不安も解消か

日本のように国土の面積が小さく、交通網や道路が整備されている国ばかりではない。世界的にみると、超冷凍での保管が必要なファイザー社のワクチンについては、効果のある状態を維持したまま国の隅々にまで届くかという不安があった。

流通上の問題の解消にもつながるものとみて、この度のファイザー社の発表は大変な朗報と言えるだろう。


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■1回のみの接種にも期待

今後、ファイザー社の新型コロナ・ワクチンは、ほとんどの医療機関に備え付けられている標準的な医療用冷凍庫で対応できることになりそうだが、効果が下がるようであってはならない。

ワクチン接種後の副反応は1回目より2回目の接種後が重いこともわかり、「できれば1回で」と望む声がますます寄せられている。最適な保管条件を見つけ、それを厳守し、最高の効果を1回のみの接種で得ることが理想だ。

変異株への対応を迫られるなど、進化を続けるワクチン開発だが、安全な治療薬の出現を望む声も相変わらず根強くある。そちらの研究も急ピッチで進むことを期待したいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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