テレワークで腰への負担も 国内2800万人が悩む腰痛の最新治療法を慶応病院医師に聞いた
椎間板ヘルニアに対する最新治療法に注目。最近増えているテレワーク腰痛の対策とは。
2021/02/18 18:25
■患者の10人に1人が退職
生化学工業が腰椎椎間板ヘルニア患者男女400名に行ったアンケートでは、約6割の人は「手術に不安がある」と回答した。またこのアンケートで5人に1人が仕事を休職、10人に1人が退職に追い込まれている実態が明らかになった。
そんな中注目されている最新の治療法が、「椎間板内酵素注入療法」だ。椎間板内に酵素を含んだ薬剤(ヘルコニア)を直接注射して、ヘルニアによる神経の圧迫を弱める。酵素の力で髄核内の保水成分が分解され、水分による膨らみが適度にやわらぐという。
その結果、神経への圧迫が改善し、痛みやしびれが軽減する。この新しい治療法は2018年から保険適用されるようになった。
■約8割に症状改善効果
1回の注射を椎間板に打つのみで終了し、1泊入院か外来治療(日帰り)で行う場合がほとんど。仕事復帰は投与後2日程度で可能だ。実際に行った82例中70例(85.4%)で症状の改善がみられたという。
この治療は、脊椎外科の専門医のいる全国約1,000病院で実施可能。岡田医師によると、慶應義塾大学病院で実際に行った場合、約7万円程度(健康保険3割負担)で治療できるという。
一般的な手術を行った場合は、入院する部屋にもよるが、約20万から30万円(健康保険3割負担)かかるとのこと。
最後に、最近増えているテレワークによる腰痛予防策について、岡田医師は「パソコンのモニターの位置をパソコンスタンドなどを使って、目の高さに合わせることが有効」と述べた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)