1000話到達した『ワンピース』のバトル展開 『鬼滅』からも学ぶ姿勢に脱帽
1000話に到達した『ONE PIECE』は現在四皇とのバトル展開。珍しく2週に渡ったその展開のワンピの変化を分析。
今年、1000話に到達した『週刊少年ジャンプ』で連載中の『ONE PIECE』。最近では珍しく、2話連続で四皇・カイドウとのバトル回にまるまる費やしている。『ONE PIECE』の変化は何を意味するのだろうか。
■四皇とのバトル
現在最新話である1002話は、1001話に引き続き、まるまるカイドウとの戦いが描かれた。1997年に連載が開始された『ONE PIECE』は来年には25周年を迎える。
どんどんと展開が複雑していく『ONE PIECE』は様々な場面を同時並行で描くために、ルフィとボスの戦いが集中して描かれることはなかなかない。
カイドウと本格的に戦う前にその他のバトルが描かれると予想するところだが、ルフィとカイドウが対峙して以降、2話連続でルフィとカイドウのバトルが描かれた。予想外のサービスに読者は喜ぶ。
■バトルから物語へ
『ONE PIECE』はいつしか敵とのバトルより物語を重視するようになっていった。これは時代の趨勢とも言える。1990年代後半は『新世紀エヴァンゲリオン』に代表されるようにアイデンティティを問うような物語が象徴的であった。
このような背景のもとで『ONE PIECE』はバトルの爽快感もさることながら、回想を駆使し、ほとんど全てのキャラクターにドラマがあるというような、キャラの使い捨てを許さない、壮大かつ複雑な物語を描き、漫画界の頂点に立った。