女性宮家の議論から10年 漫画家・小林よしのり氏が全く進展しない状況に苦言
2011年に出版された漫画の中でも「女性宮家」の必要性を訴えていた小林よしのり氏。しかし現実は…。
漫画家の小林よしのり氏は『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』の著者として知られる。皇室についても積極的な発言を続け、『天皇論』『新・天皇論』『昭和天皇論』を上梓している。
最近では女性宮家の創設や愛子内親王殿下を皇太子にすることを提言している。そんな小林氏に、女性宮家や菅政権について話を聞いた。
■ノイジーマイノリティが強い
−−−皇位の安定的継承についてお伺いします。『本家ゴーマニズム宣言2』(WAC出版)には、2011年5月の段階で女性宮家創設に賛成するという小林先生のマンガが掲載されています。それから10年間、議論は一向に進んでいない。この状況をどう思いますか。
小林:結局、ノイジーマイノリティとでもいう奴らがものすごく声が高くてうるさくて、執念を持つ彼ら小数者が大きな影響を与えてしまっている。これが怖くて政治的決着がつけられないでいる。だから先延ばし先延ばしとなっていく。
それが政権を支えるコアな層になってしまっているから、彼らの支持は得ようということになって、自分の保身のために決められない状況が永遠と続いて、もう女性宮家は手遅れかなというところまで来ちゃってるということでしょ。
■8割は女性宮家に賛成
−−−たしかに、眞子内親王殿下が今29歳でいらっしゃる。女性宮家の話は、眞子内親王殿下や佳子内親王殿下がこれから結婚する年齢になっていく。その前に決着させようという話でしたね。当時は眞子内親王殿下もICUの大学生で19歳でしたから。
小林:そうそう。本当のことを言うと内閣の支持率は、女性宮家を実現させたほうが上がるんだよね。国民の80%くらいが賛成してるんだからね。けど、やっぱりノイジーマイノリティーが非常に強いんだ。
彼らは内閣が失敗しても、失政したときでも、どんな嘘をついても、皇族の男系維持とさえいっていればかばってくれる。そういう連中をやっぱり切らないといけないのに、切れないでいる。だから、いつになっても結論が出ないんだ。