迷い犬が3年後に飼い主の元へ帰還 マイクロチップ埋め込みの重要性に再注目
愛するペットが迷子になった場合、飼い主の不安と悲しみは時が経つほど増幅する。
このほど米国・バージニア州で、3年間も迷い子になっていた6歳のマルチーズが、無事に飼い主の元に戻ってきた。賛否両論あるマイクロチップの埋め込みだが、迷子になった時のことを考えれば、それが大切だったことになる。地元メディアの『WTKR-TV』などが伝えている。
■池に落ちそうなマルチーズ
バージニア州のニューポートニューズ市で先週、シェリー・バトルさんという女性が車で病院に向かっていたところ、乗せていた子供たちが、雑木林の一角でリードを付けていない1匹の子犬を発見した。
「ママ、車を止めて。犬を助けてあげて」と叫んだ子供たち。Uターンして戻ってみると、ヨタヨタしたマルチーズが、池に落ちそうになりながら水を飲んでいた。だが警戒心が強く、声をかけても親子に近づこうとはしなかったという。
■マイクロチップに登録情報
シェリーさんはスナック菓子で犬をおびき寄せると保護し、自宅に連れ帰って世話をすることに。元気になったことを確認し、2日後には動物保護当局に連れて行った。
当局は、首の付け根あたりに埋め込まれているマイクロチップを読み取り、犬の登録情報を確認した。
犬は満6歳のスカイラーで、飼い主はジュディス・ドーティーさんと判明。彼らの自宅は保護された地点から24キロも離れており、行方不明の届出は3年も前のことだった。
■他の犬について行ったか
外出先でジュディスさんがトイレを利用した間に、姿を消してしまったというスカイラー。ほかの犬に興味を持ち、ついて行ってしまったと考えられている。
ジュディスさんはついに戻ってきたスカイラーを抱きしめ、嬉し涙でボロボロになりながら「無事を信じて祈り続けました。あきらめたことは一度もありません」とコメント。
一方、動物保護当局の職員は「スカイラーが3年経っても飼い主の元に戻ることができたのは、マイクロチップのおかげ。ほとんどの場合、もっと早く見つかります」と話す。
■2022年から日本では義務化
日本で飼育されている犬や猫のマイクロチップの装着率は、半数程度にとどまっている。だが「動物の愛護及び管理に関する法律」の一部改正で、ペットショップやブリーダーなどは2022年6月より、その装着と所有者情報の登録が義務付けられることになった。
愛する犬や猫が迷子になったとき、誰かに連れ去られれば、鑑札が付いた首輪を外される可能性がある。そのときに後悔しないためにも、やはりマイクロチップの装着が奨励されるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)