やっと入れた保育園 シングルマザーに「月6万円の保育料」が請求された理由
当時無収入だったシングルマザーのA子さん。認可保育園への入園が決まるも、市から届いた「お知らせ」に目を疑った
■「血が通っていないと感じた」
翌年の3歳児クラスからは、A子さんのアルバイトの収入も反映され、令和元年からようやく「保育料無償化」の恩恵を受けられるようになったA子さん。しらべぇ編集部の取材に対し、当時を振り返って以下のコメントを寄せている。
「元夫のモラハラDVから逃れるため、息子を抱っこ紐で背負い、両手に持てるだけの荷物を持って逃げてきたんです。貯金も元夫に吸い取られほぼ一文無しの状態で、部屋を借りることなんてできなかったし、生きることに必死で一番苦しかったときに、支援を受けることができなかった。一番肝心な部分に、血が通っていないと感じた」。
■子育てをする環境にも目を向けて
保育料の算定方法や基準、対応については市区町村によって大きく異なり、A子さんは様々な悪条件が重なった「最悪のケース」と思われる。しかし、改めて考えたいのが、子供を1人で育てていくことは、本来不可能に近いということ。
家に帰れば誰かがいる環境は子供の成長にとっても重要であるにも関わらず、現状では「実家で親と同居」することは、ひとり親にとって大きな壁となってしまっていることが実情だ。
ひとり親がこうした問題に悩まされることなく、自立のため、子供のために誰かを頼ることができる社会であるべきではないだろうか。
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