ネット投票で2400万円の万馬券 3年間勝利なしの8歳牝馬に誰も振り向かず
ギリギリまでオンライン投票が締め切られず、オッズも不安定な最近の競馬事情。今後は、この牝馬のような「不気味な爆発力」を持つ馬に注目が集まりそうだ。
競馬ファンにとって、この時期の「馬券」は年末ジャンボ宝くじのようなもの。続く重賞レースに、一攫千金の大きな夢を託すという。そんな中で2,400万円という万馬券が出たことを、英国のメディア『Mirror』『Daily Star』などが報じた。
■数年間勝ちなしの8歳牝馬
アイルランド・リムリック州のパトリックスウェルにあるリムリック競馬場。ここで12月29日に開催された9頭立ての障害レースで、驚きの万馬券が出た。
2m6½f(4,500メートル強)の距離を走るレースで、なんとも鮮やかな追い込みにより優勝したのは「ジョニーズガール(Johnnys Girl)」。ここ3年間まったく勝ちなしという8歳の牝馬だった。
■大外一気の見事な追い込み
ジョニーズガールは長らく集団の最後方に位置していたが、ジョーロイド・ブラウダー騎手の鞭が入ると中盤から徐々にペースを上げ、最後の直線では大外一気の見事な追い込みを見せた。
競馬予想紙やネットで活躍する予想屋にまったく相手にされず、大穴との評価すらなかったジョニーズガール。人気のクリスチャン・ゴーイングウェル(Kristian Goingwel)を見事に差し切っての1着ゴールインには、観客席からは失望にも似たどよめきが起きたという。
■競馬は今やネット投票が中心
アイルランド競馬も例外なくネット全盛時代を迎え、オンライン・ブックメーカーのサービスを利用し、海外から投票する競馬ファンも増加する一方。英国の『ベットフェア(Betfair)』も、世界最大級のオンライン・ブックメーカーとしてアイルランドの競馬に関わってきた。
このレースでは、手数料・税金を差し引いた金額を勝ち馬の投票者に分配する「パリミューチュエル方式」を採用したベットフェア。
投票時には配当が確定せず、オッズもギリギリまで動いたが、ジョニーズガールの単勝に投票した人には、結局17万3,000英ポンド(日本円で約2,430万円)の払い戻しとなることが示された。
■日本はその上を行く?
アイルランドは毎年春から秋までが平地競馬で、冬期は障害レースが開催される。障害競馬の発祥の地とされるだけに、じつは後者が大変な人気だそうだ。
夢にまで見る万馬券。ちなみに日本では2019年2月下旬、日本中央競馬会(JRA)が指定した5つのレースの勝ち馬をすべて当てる「ウインファイブ(WIN5)」というネット投票で、100円に対し4億7千万円もの配当がついて大変な話題になった。的中者はわずか1人だったという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)