2つある子宮で同時に妊娠した女性 世界4例目の三つ子を出産

妊娠・出産を「人生における奇跡」と受け止める人は多い。双子や三つ子の誕生もその一つだ。

2020/12/27 07:00

三つ子
(Pirotehnik/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

誰もが驚く”奇跡”を起こすことがあるコウノトリたち。世界でもわずか4例しかないという珍しい三つ子誕生の話題を、英国のメディア『The Sun』『Metro』などが報じている。


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■完全重複子宮で三つ子を出産

英国・ハンプシャー州に暮らすメラニー・バセットさん(32)。彼女は3年前に長女のフィービーちゃんを妊娠した際、画像を診た医師に、子宮から子宮頸部までがはっきりと2つに分かれている『完全重複子宮』だと告げられた。

そして昨年、それぞれの子宮で同時に受胎が起こり、メラニーさんは今年1月26日、帝王切開術で三つ子を出産。片方の子宮から誕生した姉妹はイザベルちゃん、ブルックちゃん。もう片方の子宮から少し遅れて誕生した弟は、ボーくんと名付けられた。

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■双胎間輸血症候群の不安も

じつは不安も多かったその妊娠。メラニーさんは医師から、「稀に双胎間輸血症候群(Twin-to-Twin Transfusion Syndrome・以下TTTS)を発症する恐れがある」と告げられていた。

1つの胎盤を双子が分け合う「一絨毛膜二羊膜双胎」という状態では、血液が両方の胎児を行き来するが、そのバランスが崩れると、血液が余分に入るようになった胎児にはむくみや心不全などが起き、尿量が増えて羊水過多に。

血液が不足するもう片方は発育不全となり、尿量も減り腎不全や羊水過少の問題が生じてくるというのだ。

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■いきなり5児の親に

だが妊娠9ヶ月のはじめに帝王切開で誕生した三つ子は、低体重児ながら、その後の発育は順調だった。

フィービーちゃんのほかに長男のブレイクくん(1)もおり、いきなり5児の親になったメラニーさんと電気工事士の夫ベンさん(33)は、育児に全力投球という日々が続くなか、このたびやっとメディアの取材に応じた。

三つ子の誕生例は世界に4例しかなく、イギリスでは初めての快挙という事実に驚きながらも、子供好きな夫妻は満面の笑みで「この子たちの誕生と成長が何よりうれしい。今年は最高のクリスマスになりそうです」と語っている。


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■稀有とはいえない子宮の奇形

子宮の奇形は女性の5%程度に見られ、極めて稀というわけでも、治療の必要があるわけでもない。婦人科健診、妊娠、不妊や習慣流産の検査などで、偶然発見されることが多いそうだ。

女児では胎児期の早い時期に、ミュラー管と呼ばれる2本の管が癒合して子宮が完成する。その癒合が上手くいかないと、子宮に奇形が生じると考えられているという。

妊娠においては早産や死産となるケースも少なくないが、完全重複子宮であっても、メラニーさんはすでに5児の母だ。赤ちゃんを嬉しそうに抱く彼女の素敵な笑顔は、同じ状況にある多くの女性に勇気を与えたことだろう。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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