安定期の海外旅行で予期せず未熟児出産 請求された医療費は1000万円超に

出産前に、二人きりの最後の旅行に海外を選ぶ夫婦は多い。だが万が一の場合を考えると、せめて国内で我慢したほうが賢明だ。

2020/12/27 17:30

妊娠中の旅行
(encrier/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

妊娠の安定期に入り、夫が暮らすアメリカへ旅行した女性。しかし現地で予期せぬ出産という事態に見舞われ、保険が適応されないことから、多額の医療費を請求されているという。イギリスのメディア『Mirror』や『Daily Record』が報じた。


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■幸せ真っ只中のはずが…

イギリス・バーミンガムで暮らすエイミー・コリンズ(30)さんは、昨年、アメリカ・テキサス州でエンジニアの仕事をしているクレッグ・コリンズさんと結婚。

今年になり妊娠24週(7ヶ月)の安定期に入った頃、前夫との間の娘であるエヴァちゃん(7)を連れてアメリカに向かい、滞在していた。12月13日にはバーミンガムへ戻り、実母の助けを借りながら出産準備に入る予定だったが、2日前の11日に、予期せぬ出産を迎えてしまった。

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■帝王切開で出産したものの

帝王切開手術により、わずか708グラムで産まれた男の子は、ウィリアム・コリンズくんと名付けられた。超低体重の未熟児であるため、テキサス州の病院で専門家による治療が続けられた。

じつは、アメリカでの医療保険には入っていなかったエイミーさん。出産費用と新生児ケアその他の医療費で、日本円にして約1,040万円を請求されてしまった。

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■高額な医療費に愕然

「ウィリアムはすごく頑張っているけれど、保険が適応されないので、病気にかかってしまうのがとても怖い」とメディアの取材に話す、エイミーさんの母親のサラ・コビーさん(48)。

ウィリアムくんの長期入院でさらに高額の費用がかかってしまうことになり、「これからどうやって支払っていくのか、全く予想もつかない。ただの悪夢よ」と続けている。

サラさんは来年1月中にアメリカへ向かい、エイミーさんがウィリアムくんの看病に専念して無事退院できるよう、もうひとりの孫のエヴァちゃんをイギリスに連れて帰る予定だという。

一家は、クラウドファンディングにページを開設。5,000英ポンド(日本円で約70万円)の目標のうち、現時点で2割ほどの寄付が集まっているという。


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■問題も多いマタニティ旅行

週数を問わず、妊娠中の海外旅行は医師に相談し、慎重な判断のもとで行うべきだ。のどかなビーチリゾートで破水し、大都市の病院にヘリ空輸され、早産の赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に数ヶ月間入ったというケースでは、医療費が1億円に至ったこともある。

また、妊娠・出産をカバーするタイプの海外旅行保険に入っていた場合でも、赤ちゃんは被保険者とはみなされない。さらに、妊娠中に膀胱感染症で治療を受けた女性が、それを告知せず海外旅行に出かけていたことから、支払いを拒否されたケースもある。

エイミーさんのように、滞在先での緊急出産では、驚くような金額を請求されることを忘れてはならない。

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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ

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