14歳少年が級友らの目の前で飛び込み自殺 好きな女子に「僕を忘れないで」と告げ…
我が子がネット上でどんな世界に刺激され、参加してしまうか保護者が把握できていないことは多い。この悲劇的な出来事もそんな一例かもしれない。
英国・サリー州で昨年7月、学校から帰宅する途中の14歳の少年がホームから線路に落ち、列車にはねられ死亡した。このたびその死因審問がウォーキング市の検死裁判所で行われ、両親が見守るなか多くの級友や教師が証言。
新たな展開があったことを『Mail Online』『The Sun』などが伝えている。
■在校生の目の前で…
ロンドンの南西に位置するサリー州のチャーツィーという鉄道駅で死亡したサム・コナーくん。ネット上でトラブルに巻き込まれた、イジメがあった、誰かに「死」を強要された、ホームから突き落とされたなど、その死については自殺と事件のいずれも視野に入れ、死因審問が進められた。
「黄色い線を踏み越えたサムを、ふざけているだけだと思った」「サムに仲間は多く、イジメはなかった」と証言した友人たち。当時ホームには帰宅途中の在校生約200名がおり、その後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を起こした者も少なくなかったという。
■憎い人物5名の名をメモに
ある友人は、「当日まだ教室にいたとき、サムからホームに入ってくる列車は人間を殺すのに十分なスピードだと思うかと尋ねられた」と証言。
またサムくんが死の直前、片思いの女子に「しばらく遠くに行っちゃうけれど、僕のことを忘れないでね」という遺書めいたメッセージを送っていたことも判明した。
さらに、「僕が死んだらこいつらのせいだから」と教師2人、友人3人の名が記されたメモも発見されていた。
■ネットで『自殺協定』に
死因審問では、友人からさらに「その頃のサムは食欲がなく、痩せて顔色が悪いと感じていた」「サムはネットで知り合った仲間と自殺を決行する『自殺協定』に巻き込まれていた」などと様々な証言が飛び出した。
「成績が悪くなったら死ぬと決め、自殺協定のグループに入った」と打ち明けられ、携帯電話、iPod、鍵などを預かってほしいと頼まれた1人の友人。彼は冗談だと思い一蹴していたが、ホームに着いたサムくんが寡黙で、いつもの彼ではないことを直感したという。
一方、死ぬほど憎いと綴っていたとされる5名とサムくんの関係については、多くの証言者が「そこまで憎んでいたとは考えにくい」と首をひねっている。
■多感な中学生ならではの難しさ
「前日の晩は家族でハンプシャー州のアルトンに旅行し、とても楽しい夕食をとった。自殺などとても信じられない」と一貫して語っていたサムくんの両親。意外な事実が次々と友人の口から飛び出し、ふたりは深く落胆している。
決定的な動機が見当たらないだけに、この件の死因審問はまだ終了していない。解決を目指す法廷のすべての大人たちが、多感な中学生の自殺にみられる衝動性の難しさを改めて痛感しているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)