怒号が飛び交い福島党首が痛罵された社民党の臨時党大会 党分裂は決定的に
立憲合流派・党残留派、どちらも認め合うことを確認する提案がギリギリで可決。今後の展開は…。
■党消滅の危機も
党大会に出席していた代議員の一人は大会後、筆者にこう語った。
「うちの支部はもともと、立憲民主党への合流派が多数を占めていました。社民党の存在意義を理解しつつも、党が抱える厳しい情勢を前にしたら、合流が現実的。
今日は質疑応答を聞いていて、『いずれも理解し合う』という案すら否決され、吉田幹事長以下、執行部が総退陣になるのかとヒヤヒヤしました」
また、今後についての心配も吐露した。
「議案可決を受けて、福島党首以外の国会議員は立憲に行くでしょう。それはやむにやまれぬ事情があるからです。国会議員が1人でもいれば社民党は2025年まで政党要件は残ります。
鍵となるのは次期衆院選と2022年参院選。総選挙で1議席でも獲得すればいい。もしそれが叶わなければ、2022年の参院選、それは福島瑞穂党首が改選になる時ですが、そこで2%以上の票を得て1議席死守しなければいけない。
それができなければ社民党は名実ともに消滅します。執行部にその危機感があればいいのですが」
■社民党の「終わりの始まり」
党大会を乗り切ったものの、社民党の分裂はほぼ確実だ。福島瑞穂・党首が1人残って党が存続したとしても、それがいつまで続くか分からない。社民党の「終わりの始まり」が見えてきた臨時党大会だったと言えよう。
・合わせて読みたい→安保法制から5年で国会前にて抗議集会 野党代表は敵基地攻撃能力に懸念も
(取材・文/France10・及川健二)