持ち去った大量の少女の遺体を着せ替え人形にした50代男 謝罪命令にも反省の色なし
相次いだ墓荒らし事件の犯人がやっと逮捕され、世間は一安心した。しかし続報にこそ、人々は身震いしたという。
見ず知らずの人の土葬された亡骸を次々と墓から掘り起こし、持ち去っていた犯人。その亡骸で何をしていたのか事実を知った誰もが、「この世にそんな趣味を持った人がいるとは」と驚愕した。50代になった被告を、母親だけは擁護しているという。
■3~12歳までの女児の亡骸
ロシア第5の都市ニジニ・ノヴゴロド市の墓地で、2007年以降ひんぱんに起きていた墓荒らし事件。しかも、宝飾品などではなく「亡骸」そのものが持ち去られるという不気味さだった。
2011年、警察はある男について家族から異様な私生活に関する相談を受け、その自宅を任意で捜査。そこで29体ものミイラが発見された。ミイラは3~12歳までの女児ばかりで、頭部にリボンやスカーフを着け、かわいいドレスを着て花、オルゴールなどが添えられていた。
これにより、警察はアナトリー・モスクビンという男を連続墓荒らし事件の容疑者として逮捕。本人も犯行を認め、死体損壊等罪を含む44件の罪で起訴された。
■翻訳者・歴史学者として活躍
13もの言語を巧みに使いこなし、歴史学の博士号を取得し、執筆業の傍らソビエト赤軍のため翻訳者としても活躍したモスクビン被告。大変優秀だったこの男は、ミイラと一緒の暮らしを「小さな女の子たちとパーティーをしている」と表現していた。
その後の取り調べで、12歳の時にある少女の葬儀で遺体の顔にキスをした体験について語り、「それ以来、遺体に強い関心を抱くようになった」などと供述。ただし警察の報告によれば、性的関心の対象ではなかったようだ。
■被告を擁護する母親
精神鑑定で統合失調症を指摘され、入院加療が10年近く続いたモスクビン被告は現在53歳。このたびの裁判所出廷では、「高齢の母親を介護する必要がある。恋人ができたので彼女と一緒に暮らしたい。精神病院から早く出してほしい」などと陳情した。
その母親エルヴィラさん(77)も、「人形たちの中身が少女のミイラだと知って驚いたが、息子はとてもかわいがっていた。そんなにも罪深いことをしたとは思えない」などと話し、息子を擁護したという。
また最近の被告の様子については、医師も「投薬による治療は順調で、保釈もそろそろ可能」という評価を示した。
■「冷たい土の下はかわいそう」
だが裁判官はモスクビン被告のある発言をきっかけに、まだ社会復帰を叶える時期ではないと判断し、治安精神病院での勾留について6ヶ月の延長を言い渡した。
死体損壊の行為を遺族に謝罪するよう求めたところ、「幼い娘を墓地の冷たい土の下に埋め、去ってしまった親こそ冷酷だ。僕の自宅で女の子たちを温めてあげただけで、何も悪いことはしていない」と被告が反論したためだ。
被害者の遺族らは裁判官の評価を強く支持。「一生このケダモノを社会に戻さないで」と改めて訴えている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)