「トイレで携帯いじってんじゃねぇ」 大手企業が個室天井に大型タイマー設置
携帯電話のトイレへの持ち込みを完全に禁じること、監視することは難しい。そこで大事になるのが、追い立てられるような緊張感なのか…。
トイレという完全に独りになれる個室。そこに何分間入っていようが、何をして過ごそうが、誰の干渉も受けたくないのが本音だ。だが自宅ならともかく、それが勤務先の共同で使用するトレイだとしたら…?
■トイレの天井に大型タイマー
中国で今、動画共有アプリ『TikTok』の強力なライバルといわれている『Kuaishou(快手)』。北京に本部を置くその企業が、社員が使用するトイレの天井に電光で掲示される大きなタイマーを設置し、社内で波紋を広げている。
社員の間からは「トイレの使用まで監視、干渉されるのは不愉快だ」「使用時間は健康状態次第だ」といった反感の声が噴出。しかし会社側は「そもそもトイレの数には限りがあり、実際に長い列ができている」と、現状について苦言を呈している。
■一理ある会社の主張
各人が速やかに用を足して自分の席に戻ることは、仕事の生産性アップにつながる。お腹に不調を抱えた人が延々待つような状況を、何としても改善させたい。そう主張する会社側は、一歩も譲る気配を見せていない。
中国の大手メディアも、一理も二理もあるとして大きく取り上げたこの話題。「脂汗をかきながら長い列に並んでいる人は気の毒」「うちの会社もいつかそうなるかも…」などと、SNSでさっそく炎上している模様だ。
■「ひとり1日10分まで」
大きな影響力を持つ有名企業による新しい取り組みは、アイデアが斬新であればあるほど飛び火していく傾向がある。
実際に、上海のある企業が、携帯電話をこっそりと使用する社員が多いことに業を煮やし、「トイレの使用は1日10分まで」という制限を設け、スタッフに監視させていることが明らかにされた。
個室トイレのタイマー設置は、ひょっとしたら日本も対岸の火事などと言っていられないのかもしれない。
■トイレで携帯電話を…
しらべぇ編集部が全国の10~60代の男女1,721名を対象に調査を実施したところ、若い世代を中心に過半数の男女が「トイレに携帯電話を持ち込んでいる」ことが判明した。
男性のトップは10代で61.5%、女性のトップは20代で55.3%。いずれも、携帯電話への強い依存を自覚している人が非常に多いとされる世代だ。
しかし、トイレでは緊急性の高い人などへの思いやりを忘れてはいけない。
スムーズに気持ちよく使えるよう誰もが心掛けていれば、タイマーなどは不要。そんなものに追い立てられたら、緊張のあまり出るものも出なくなりそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1,721名 (有効回答数)