黒ヒョウと戯れる違法体験アクティビティ 参加者が頭皮を剥がされる大事故に
インターネット上の案内がすべて正しいと信じるのは危険。こんな事故に遭わないよう十分な注意が必要だ。
多くの野生動物が生息する大自然でのアクティビティは、観光客に大人気だ。しかし、なかには参加者に高い料金を支払わせ、違法かつ危険なことをさせる業者もあるようだ。
■珍しいアクティビティ
米国・フロリダ州フォートローダーデール近郊に広大な土地を所有し、私営保護区を運営していたマイケル・ポッジという男が警察に逮捕された。
その保護区には珍しい鳥類、爬虫類ほか多数の動物がいるが、「黒ヒョウと戯れる体験」という危険なアクティビティに参加した一般人男性が重傷を負っていた。また参加者には、日本円で15,000円以上の料金を支払わせていたことも明らかになった。
■流血の大事故
事故は今年8月31日に起きた。ドワイト・ターナーさんという50歳の一般人男性がアクティビティに参加し、ダシャという名の黒ヒョウの檻へ。しかし激しい攻撃に遭い、病院に救急搬送された。
地元メディアの『Local10 News』は、黒ヒョウに爪で頭部を引っ掻かれたターナーさんの様子について、毛髪のついた頭皮がはがれて頭からぶら下がっている状態であったこと、右耳が半分ちぎれていたことなどを伝えている。
■黒ヒョウは準絶滅危惧種
近年では個体数が世界的に減っており、準絶滅危惧種に指定されているネコ科の黒ヒョウ。捕食としては小型から大型まで主に哺乳類を好み、人間に対してフレンドリーなどという考え方は通用しない。
警察と共に保護区への立ち入り調査を行っていたフロリダ州の魚類野生生物保護委員会は、そのダシャの体高は約79センチ、体重は約10キロだと発表している。
■戯れようとした参加者
私営保護区がFacebookやYouTubeに公開した楽しそうな情報に魅かれ、ターナーさんは黒ヒョウに接近。写真を撮るばかりか、その体に触れ、親しくなろうとして怒らせたものと考えられている。
アクティビティそのものの違法性と危険性、安全対策に関する怠慢と認識不足もさることながら、人の命を危険にさらすと同時に、準絶滅危惧種の動物に強いストレスを与えていたポッジ容疑者。起訴の内容は多岐にわたる模様だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)