菅首相、日本経済再生のためコロナ発生後初となる「入国拒否」解除へ
総理官邸で「第44回新型コロナウイルス感染症対策本部」が開催。菅義偉総理が現在の対策を明かした。
菅義偉首相は30日、総理官邸で第44回目となる「新型コロナウイルス感染症対策本部」を開催。
一時減少していたコロナ感染者が10月以降再び微増傾向になったことに危機感を示し、「状況は予断を許さない。爆発的な感染を絶対に防ぎ、国民の命と健康を守ることに最優先で取り組む」とコメントした。
■クラスター封じ込め策
「この夏の感染拡大期には、新宿の歓楽街を対象に大規模な検査を実施し、感染者の減少につなげることができた」と振り返った菅首相。
「その経験も踏まえ、クラスター発生時には、国から専門家によるチームを派遣するとともに、大規模・集中的な検査の実施により感染を封じ込める」と語った上で、保健所の体制強化をより一層進めていくことに加え、専門人材等の応援派遣を伴う体制を構築していることを説明した。
■インフルエンザの流行も…
国内では感染者数の一進一退が続いているが、間も無く季節は冬。懸念されるのがコロナに続く、インフルエンザの流行だ。
互いの患者数が急増すれば、医療現場は再び切迫する可能性を秘めているが、その対策について「身近な医療機関に直接相談し、診療や検査を受けてもらう仕組みを整備する」と言及し、医療機関の支援に取り組んでいることを強調した。
■「国際的な人の往来」が不可欠
内閣府が発表した2020年4月〜6月の実質GDPの成長率は、年率換算で「-27.8%」だった。コロナ発生で、日本経済は戦後最大の落ち込みを記録している。
経済のV字回復が急務になっている中、菅首相は以前より「経済再生のためには、国際的な人の往来の再開が不可欠」と語っており、この日は「11月1日から、海外へ短期出張した日本在住の方の帰国に際して、追加的な防疫措置を講じることを条件に、限定的な範囲内でビジネス活動をすることを可能とする。また、感染状況が落ち着いている一部の国と地域について、入国拒否対象の指定を解除する」と、コロナ発生以降では初となる入国拒否の解除を明言。
対象になる国・地域は、中国、韓国、オーストラリア、シンガポール、タイ、台湾、ニュージーランドなど。ビジネス往来がメインで観光客は除外される見通し。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤星生)