南部鉄器でゴジラや恐竜の鉄瓶ができる秘密とは 話題の「革命家集団」を直撃
南部鉄器の革命家集団の正体とは… 製作の秘密について聞いた。
2020/10/24 10:40
■ものづくりは楽しんでやるもの
章氏も8代目海人氏も、口を揃えて「こだわりを持ったクリエイターが集まっているからこそ、こういった作品を完成させることができる」と語る。「面白いものを作りたい」と志願するクリエイターが、東北各地からやってきて、現在20名在籍している。
海人氏は「若者がフィギュアや絵を描いて楽しんでいるように、自分たちも毎日コミケをやっているようなもの」と笑いながら話す。章氏は「ものづくりというものは、基本的に楽しんでやるもの。敷居が高いものでは、決してない。うちの工房には昔からそのような雰囲気があった」と語る。
■後継者不足解消も目指す
人気を博すゴジラの鉄瓶も、トリケラトプスがキッカケとなって誕生。初代ゴジラに出演したMr.ゴジラ宝田明と製作者の章氏が、昨年10月にシカゴで行われたゴジラフェスティバルに参加し、ゴジラの鉄瓶で、お茶を立てる様子を披露した。
この鉄瓶は、都内のゴジラストアにも展示されており、65体限定の完全受注生産で1体100万円。当初は東京五輪のために、海外から訪れる外国人にも喜んでほしいという意図があったそうだ。
最後に海人氏は、「南部鉄器のイメージが教科書のまま止まっている人も多い。面白い南部鉄器を作っていくことで、ものづくりの後継者不足の解消にもつながる」と新たな伝統への想いについて語った。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)