預金目当てで男性を殺害した女2人 切断した手の指紋認証で800万円搾取
親の死亡で男性は高額の保険金を受け取っていた。それを知られたがために…。
ある若い男性に近づき、誘惑した美しい女。その頭に邪悪な計画があるとは知らない男性は彼女に魅かれ、ある日、自宅でのデートを提案したのだった。
■母親の死亡保険金が入る
今年3月18日、ポルトガル・ファーロ県のタヴィラで、若い男性が首を絞められて殺されるという事件が起きた。
死亡したのは、ホテルの従業員だったディオゴ・ゴンカルヴェスさん(21)。2016年7月に母親を交通事故で亡くし、約1,000万円の保険金を受け取っていたが、彼の死後、そのほとんどが銀行口座から奪われていた。
■容疑者を自宅に招く
事件について捜査を行ってきた検察は、このほど警備会社勤務のマリア・マルヴェイロ(19)、および看護師のマリアナ・フォンセカ(23)の女2名を、殺人および死体損壊・遺棄、預金の搾取、車両の窃盗ほかの容疑で起訴した。
殺害に関しては、ゴンカルヴェスさんの自宅を訪ねたマルヴェイロ容疑者が睡眠薬入りのジュースで彼を眠らせ、フォンセカ容疑者と共に首を絞めた疑いが持たれている。
■手は指紋認証のために保存
両容疑者はその遺体をバラバラに切断し、胴部を滝に投棄した一方、手足などは5日間にわたり保存。それは「指紋認証」に利用するためだった。
ゴンカルヴェスさんの指を使い、インターネットバンキングにログインした両容疑者は、ゴンカルヴェスさんの預金から日本円で814万円ほどを引き出していた。
またFacebookのアカウントについては、人々に「生きている」と思わせるため本人になりすまし、3月20日から23日までの間に複数のメッセージを送信していたことがわかっている。
■犯罪ドラマからヒント
両容疑者に前科はないが、マルヴェイロ容疑者は取り調べのなかで、米国のテレビドラマである『デクスター(Dexter)』に「かなり影響を受けた」と供述したという。
昨今の犯罪ドラマが視聴者に詐欺、搾取、窃盗についてのアイデアを与えたり、コンピュータを使ったサイバー犯罪のヒントを与えていると問題視する声が高まっているが、どうやら否定できない事例となったようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)