「娘に乱暴した復讐だ」 繁華街の歩道で40代の父親が男を刺殺
かわいい娘が性的に乱暴されたと知ったら、親は誰も怒り狂うことだろう。しかし極端な行動に出るのは禁物だ。
我が子が性的暴行の被害にあったと聞き、怒りの感情を抑えきれなかった父親。彼は、たとえ娘の元を離れて刑務所に入ることになっても構わない、そう覚悟を決めると「復讐」に出た。
■首の付け根を刺す
事件は9月1日、メキシコ・グアナファト州レオン市の繁華街で起きた。
知人との談笑を終え、歩道をゆっくりと歩き出した白いYシャツ姿がビジネスマン風の中年男性。その正面に向かってポロシャツにジーンズ姿の男が突き進み、中年男性はその男が手にしていた鋭い刃物で首の付け根をいきなり刺された。
この事件で死亡したのはデヴィッド・エンリケさん。刺し傷は深く、搬送先の病院で翌日に息を引き取っていた。
■大人しく降伏
加害者の男はルイス・マヌエル容疑者(40)。事件直後、現場には数名の男性が駆け寄ったが、彼らに対しマヌエル容疑者がまったく抵抗しなかったこともわかってきた。
付近の防犯カメラの映像がメディアに公開されたが、ひとりの男性はエンリケさんの体を執拗に踏みつけるマヌエル容疑者を背後から静かに引き離しており、警察にも身柄はスムーズに引き渡されている。
■強い殺意と計画性
現場の映像では、付近に駐車している車の陰からエンリケさんが知人と談笑している様子を観察し、終了するのを待っているマヌエル容疑者の姿が確認されていた。犯行の少し前から刃物を握りしめていることから、犯行は計画的で強い殺意があったと考えられる。
犯行をすべて認めたマヌエル容疑者は殺人罪で起訴されたが、裁判で重い量刑が下る可能性が高いことについて、あまり恐れている様子はなかった。
■「娘が暴行された復讐だ」
マヌエル容疑者は動機に関し、一貫して「娘があの男にレイプされた。その復讐だ」と主張している。投獄されれば娘とは一緒に暮らせなくなるが、それを承知の上で報復行為に出ていたというのだ。
娘の性的暴行被害が事実だったとしても、被疑者はすでに死亡している。その申し立てをグアナファト州検察当局が受理し、捜査するか否かはまだ明らかにされていない。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)