ポスト安倍を狙う岸田文雄・菅義偉・石破茂の攻防 キングメーカーは二階幹事長
28日、突如辞意を表明した安倍晋三首相。早速後継選びが激化しているが…。
やはりというべきか。首相連続在職歴、歴代最長を更新したばかりの安倍晋三首相が28日、突如辞任を表明した。週刊誌などで次々と健康悪化説が報道される中である。
■岸田氏に注目集まる
安倍首相の辞意を受け、自民党では早くも後任選びが活発化している。とりわけ注目されているのが岸田文雄政調会長だ。
「『岸田禅譲』は安倍首相が前々から考えていたことです。安倍首相は昨年12月のテレビ番組で『たいへん誠実で、相手を尊重する人で、岸田氏といると居心地がいいと感じる人が多い』と岸田氏を評価する発言をしています。
後任になる任期1年の自民党の”臨時”総裁には岸田氏が選ばれる可能性が高い。そのときキングメーカー役になるのが二階俊博幹事長です。
存在感が薄い岸田氏を二階氏が支えていく二頭体制になるでしょう。私は年内解散総選挙の可能性は低くなるとみています。よほど新政権が高支持率を得ない限りは解散できない」
そう語るのは、小池百合子都知事の全貌に迫った近著『仮面』(扶桑社)が話題の政治ジャーナリストの横田一氏だ。
■給付金で迷走
しかし、コロナ前まではささやかれていた安倍首相による「岸田禅譲」路線は、1回破綻しているという経緯がある。最大の誤算は、コロナ自粛に伴う給付金政策の迷走だ。
「収入減世帯に30万円」から「国民一律10万円」へ転換したドタバタで、政官界は岸田氏が首相の器でないことを肝に銘じた。「30万円」決定に当たり、政府はわざわざ岸田氏が取りまとめたように舞台をしつらえ花を持たせた。