猛毒魚の棘でアナフィラキシーショック シュノーケリングの16歳少年が死亡

海の事故もいろいろだ。猛毒を持つ生き物に襲われて死亡する事故も少なくない。

2020/08/24 09:40

Spotted weever
(AlexeyMasliy/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

シュノーケリングからなかなか戻らない息子に不安を感じ、捜索願を出した両親。その後に心肺停止状態で発見された息子の首と顔に見つかった傷は、平和なビーチに思わぬ危険が潜んでいることを示す、きわめて不吉なものだった。


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■自然界と動物を愛した少年

スペイン・バルセロナの北東に位置するカタルーニャ州ジローナ県が誇る、壮大な海岸線のコスタ・ブラバ。

その人気のビーチリゾート、プラヤ・デアロで今月15日午後にシュノーケリングをしながら水中を撮影していたアルナウ・Bさん(16)が、棘に猛毒を持つ魚に顔や喉を刺されて死亡した。

アルナウさんは自然や動物をこよなく愛する少年で、美しい、あるいは珍しい写真や動画を専門誌や地元メディアにたびたび提供していた。

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■医師が気づいた複数の傷口

30分経ってもシュノーケリングから戻らないアルナウさんに不安を感じた両親。ライフセーバーに捜索と救助の協力を求めたが、その15分後に水中で発見されたアルナウさんはすでに心肺停止の状態だった。

当初は溺死が疑われたが、搬送先の病院で医者は顎の下や顔に2〜3ミリの小さな傷口が複数あることを発見。この海岸の浅瀬に生息している猛毒魚に刺された可能性を指摘した。

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■色鮮やかな魚に遭遇

「浜辺から100メートル離れたあたりでクラゲを追っているんだけれど、ちょっと奇妙な顔をした色鮮やかな魚に遭遇した」と家族に連絡を入れていたアルナウさん。

この事故の調査を進める湾岸警察は、アルナウさんが使用していた水中カメラの音声や映像を分析した結果、彼がその魚を30秒間ほど撮影していた事実をつかんだ。魚が突然姿が消すとほぼ同時に画面が乱れたと発表している。


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■えらぶたと背びれに猛毒

その後の情報では、少年を刺したのは欧米では“スポテッド・ウィーヴァー(Spotted Weever)”と呼ばれている、トラキヌス科(スズキ目ワニギス亜目)の魚と考えられるとのこと。頭と背中には黄褐色~茶色の斑点が多数あり、腹の色は淡く、細長い体は最高で45cmほどになるという。

この魚は「えらぶた」とも呼ばれる鰓蓋(さいがい)にある棘と、背びれの最前にある3本の鋭い黒い棘から猛毒を放ち、刺されると強い熱感と痛みに続いてめまいや吐き気が生じ、意識が次第に失われていく。ただしアナフィラキシーショックや心臓発作が起き、死に直面することもしばしばだという。

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(取文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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