チキンナゲットとポテトチップしか… 20代母親が摂食障害で失明の可能性
産後、スリムなボディラインを目指してダイエットに励む女性は多いが、彼女の場合はそうではなかった。
近年は、摂食障害にもさまざまなタイプがあることがわかってきた。成人女性が子育て期に発症してしまった場合、状況はとても深刻だ。
■子育て中に摂食障害を発症
英国・ミドルスブラに暮らすミシェーラ・ハリスさん(26)。現在7歳、5歳、1歳の3人の子供を育てている彼女は、2016年に「回避・制限性食物摂取障害(略称:ARFID)」という珍しいタイプの摂食障害を発症した。
その後、3ヶ月の間にみるみるやせ細り、現在も体重は31.7キログラムしかない。体力もなく、子育てもパートナーのジョン・ドハーティさん(40)だけが頼りだという。
■「このままでは失明も」
食べられるものは、チキンナゲットとポテトチップスだけだというミシェーラさん。診断した医師は「栄養失調がはなはだしい。このままでは失明など深刻な影響が現れてくる可能性がある」と指摘した。
また、ミシェーラさんは3人の我が子に健康的な食生活を望んでいるが、「摂食障害の母親を持つと高率で子供にも同じ現象が生じる」と告げられた。早くも好き嫌いを主張するようになった1歳の我が子を、特に心配している。
■パートナーとの破局がきっかけ
ミシェーラさんはかつて、1回の食事でベーコンを3切れ、目玉焼きを2枚、ソーセージを4本、トーストを2枚、ハッシュドポテトを3枚、それに豆料理をペロリと食べていた。
ところが2016年、当時のパートナーと破局した絶望感でARFIDを発症。匂いが嫌ですべての食物を受け付けなくなり、やっと食べられるようになったのがチキンナゲットとポテトチップスだった。
ジョンさんは「少しずつ食べられるものを増やしていこう」とイチゴを買うなどして、そんな彼女を必死にサポートしている。
■本人も現状に苦しんでいる
極端な偏食が現れる摂食障害のARFIDは、本人が「もっと太って健康になりたい」と望んでいるにもかかわらず、食べることが難しくなるのが大きな特徴だ。
幼少期や思春期に、とある食物で窒息や嘔吐、食中毒を経験して恐怖や嫌悪感から発症する例もあるという。そうなると、該当の食物を避ける、同じ種類の食物もすべて避ける、全体として食物の摂取量が激減するなど、症状が徐々に重くなっていくこともある。
原因については環境、遺伝、生理学的な要因の他に、気質や人格的な要因が絡み合うことがあり、精神心理学的な分析も欠かせないという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)