山口二郎法大教授ら立憲デモクラシーの会が会見 「憲法53条に基づき臨時国会を召集せよ」
新型コロナウイルス対策など、国難とも言える議題が数多くあるにも関わらず、開かれない臨時国会の問題。
13日、衆議院議員会館内で日本国憲法第53条に基づく臨時国会の開催を求め、自民党が提言する敵基地攻撃能力を批判する立憲デモクラシーの会主催の記者会見が行われた。
出席したのは、山口二郎法大教授、高見勝利上智大学名誉教授、石川健治東京大学教授、中野晃一上智大学教授の4名だ。
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■安倍首相は説明責任を回避
日本国憲法第53条では「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めている。
山口氏は「新型コロナウィルスの感染拡大と経済活動の大幅な収縮に歯止めがかからず国民生活が深刻な危機に見舞われるさなか、国会は閉じる一方で、来月にも国家安全保障会議で敵基地攻撃能力の保有に向けた新しい方向性を示す安倍晋三政権の意向が報じられています」と危惧。
「国政上の深刻な課題が山積しているにもかかわらず、安倍首相は国会の閉会中審査に姿を現さず、記者会見もまともに開かず、何より憲法 53 条に基づく野党による臨時国会開催要求にさえ応じない。主権者たる国民に対する説明責任を徹底して回避していると言わざるをえません」と、政府が直ちに臨時国会を開くように促した。
■少数派の要求あれば召集義務
高見氏は「そもそも憲法53条後段は、国会閉会中における行政権の濫用を防止する目的で、一定数の議員の要求により国会が自主的に集会する制度を設定したもの。衆参どちらかの少数派の会派の要求がありさえすれば、国会の召集の決定を内閣に憲法上義務づけたものです」と説明。
また、議員からの召集要求があった以上は、召集のために必要な合理的期間を経た後、すみやかに召集すべきであるとするのが学説の一致した見解であり、近年は政府でさえ「合理的期間を超えない期間内に臨時国会を召集しなければならない」(2018年2月14日横畠裕介内閣法制局長官答弁)と認めていることを指摘した。