国民民主党が分党して立憲民主党と新党結成へ 総選挙前に野党の再再編もありうるか
はたして、野党はどこへ行くのか。要注目である。
■迫る総選挙への危機感
それにしても、何故に交渉を継続せずに分党してまで新党へ突き進むのか。全国紙の野党担当記者が語る。
「『週刊ポスト』や『サンデー毎日』が10月に総選挙があると報じ、議席数のシミュレーションを行っていることからも分かるように、選挙が間近に迫っているという危機感が玉木代表にも枝野幸男代表にもあった。
だから、枝野代表は『速やかに結論を出すべきだ』と語り、玉木代表は『長引かせるのは国民のためにならない』と説明しました。選挙に備えるために一刻の猶予もなく、玉木代表は分党してでも新党に突き進むべきだという考えがあった」
■消費減税と人間関係で折り合いつかず
それにしても、一致できなかった点は何か。前出の記者が語る。
「綱領や規約といった新党の屋台骨となるものまで幹事長間で一致し、合意していた。一致できなかったのは経済政策。玉木代表をはじめ国民民主党には消費税減税論が根強いため、立憲サイドに消費減税を提示したものの、断られ、合意に至らなかった。
減税論は国民が『れいわ新選組』との連携を重視していることもあります。れいわの山本太郎代表は『消費税を5%に減税する点で一致できなければ、野党共闘はせずに独自で闘う』と公言しています。立憲・国民ともに支持者は60代以上が多い。
『れいわ』が20代から40代に支持されていることから、野党共闘に同党が欠かせないと玉木代表は考えています。あと、もう一点、合併の支障となったのが、参議院議員側の意向。
立憲と国民の参院サイドは人間関係がぎくしゃくしており、折り合いがつかず、参院の国民側は合流に慎重論が根強かった」