ブルテリアが2歳児の頬を噛みちぎる 飼い主の叔父は責任を放棄中
「これほどひどい咬傷は見たことがない」と語る救命救急士。それでも飼い主は責任を認めようとしないという。
飼い主が「よくしつけてある犬だから」と言っても、100%は信用しないほうが賢明だ。飼い主には従順な犬だろうと、時と場合によっては獰猛な犬と化すことがわかる事件が発生した。
■ブルテリアに襲われる
今年3月、ニュージーランド・クライストチャーチ在住のマキシン・ベネットくん(2)が、親類の家で飼われていたスタッフォードシャー・ブル・テリアに襲われ、左頬の肉を噛みちぎられる被害に遭った。
母親のアラナ・トレイナーさん(29)は、幼い息子の顔面に鮮明な傷跡が残っていることに悲しみ、犬の飼い主への激しい怒りと闘う日々を過ごしているという。
■手にしたソーセージ
アラナさんは3月14日、マキシンくんを連れて、50歳の誕生日を迎えたヘイスティングス在住のピーター・トレイナーさんという叔父の自宅を訪問。パーティーの最中は、アラナさんの両親が孫であるマキシンくんの面倒を見ていた。
しかし、マキシンくんがソーセージを手に幼児用自転車にまたがったところ、叔父の飼い犬であるブルテリアの「ゼウス」が現れ、いきなり左の頬に強く噛みついた。
■責任を認めない叔父
口元から耳に向かって頬の肉がちぎられ、奥歯までむき出しになってしまったマキシンくん。
ハークス・ベイ病院での簡易な治療を経て、クライストチャーチ病院に空輸となったが、惨状を目の当たりにした救急救命士は、「これまで見た中で最悪の咬傷事故」と表現していた。
手術の日、アラナさんにピーターさんから電話があり、泣きながら「ゼウスが安楽死に」と伝えてきたというが、飼い主としての責任は認めようとしなかった。そのため、親戚関係に亀裂が生じているという。
■いじめを心配する母親
現在のマキシンくんは、犬に出会うとアラナさんの脚をギュッとつかみ、背後に隠れようとするという。
強張る表情に心が痛んだアラナさんは、ヘイスティングス地区評議会に対し、野放図に飼育されている危険な犬の取り締まりを強化するよう求める活動をスタート。「犠牲者は息子ひとりでたくさん」と強く訴えかけている。
マキシンくんは成長に伴い今後も形成手術を何度か受ける予定だが、咬傷の跡を完全に消すことは難しい可能性がある。アラナさんは、「息子はいじめの標的になるのではないか」という不安も抱えているそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)