長男誕生の10年後に双子のもう片方を出産 なぜそんな複雑なことが…
双子とは少しの間をおいて次々と生まれるもの。しかし現代の不妊治療はやや奇妙な双子の誕生をも可能にしている。
そのふたりの男の子たちは、出生届のうえでは10年離れた兄と弟の関係になり、しかし生物学上は双子の関係になるという。なんとも奇妙な兄弟の出産例が中国から伝えられた。
■瓜二つながら年齢差10年
中国・湖北省武漢市にある「湖北省婦幼保健院」という産婦人科の病院。ここで大変珍しい出産があり、話題になっている。
2010年に誕生した男の子にとって、なんと双子の弟となる男の子が今月16日に誕生したもので、今後ふたりは「瓜二つながら10年離れた双子の兄弟」として育つことになるという。
■自然妊娠を目指した5年間
母親は現在41歳。なかなか子宝に恵まれないことに悩み、2009年に不妊治療を始め、体外受精の技術を借りて翌年に長男を出産していた。
その後は長男の子育てに追われたが、しばらくすると夫とともに「もう一人子供が欲しい」と感じるように。過去5年間は自然妊娠を目指していた夫妻だが、なかなかうまく行かないなか長男は10歳になろうとしていた。
■「捨てるなんてできない」
夫妻は同じ不妊治療クリニックを再び訪問。そこで医師とよく話し合った結果、長男にとっては弟であり、また生物学上の双子の片方でもある男児の出産を決意した。
同病院がSNSに投稿した情報によると、2009年、体外受精が成功した際に受精卵(胚)が複数得られており、使用しなかった余剰胚について、夫妻は「捨てるなんてかわいそう」といった気持ちから凍結保存を依頼していた。
■もう一人の「我が子の源」
状態が良いにもかかわらず選ばれなかった「我が子の源」ともいうべき余剰卵。これを凍結保存しておいた場合、しばらくのちに「その子にも人生を」と考えるようになる夫婦は、じつは少なくないそうだ。
体外受精の技術は年々進歩しており、このたびの例のように体の大きさと年齢が違う「双子」が誕生することは、日本でもまれに起きているとのこと。メリット・デメリットや倫理面について、医師と十分な話し合いを持ったうえで前に進むことが必要になるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)